“しっくりこない”森保ジャパン。次節、サブ組の試合勘を養うゲームにする余裕はない

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©Getty Images
13日、日本代表はAFCアジアカップ2019(UAE)グループステージ第2節・オマーン戦で1-0の勝利を収め、決勝トーナメント進出を決めた。初戦・トルクメニスタン戦からの改善点も見られたが、依然チームとしての戦い方には危うさが残った。現地で取材を重ねる飯尾篤史氏が見たこの試合の成果と課題とは。

■いろんなことがあった難しさ

1−0で辛勝したアジアカップのオマーン戦。試合直後、テレビのインタビューを受けた原口元気は「このままでは決勝トーナメントで勝てない」と厳しい表情で語った。

それから数分後、ミックスゾーンに現れた原口は打って変わって穏やかな表情で「周りとも話したりして、最低限の結果は出ていますし、いろんな難しさがあるなかで2試合を勝ち切れたのはいいかなって」と自身に言い聞かせるように言った。

どちらも、偽らざる本音だろう。

もっと主導権を握って圧倒し、もっと大差で勝利したい。けれども、大黒柱の大迫勇也が欠場し、相手の分析も進み、チーム全体のコンディションもまだ万全ではないなか、公式戦を勝ち抜くのは簡単なことではない。

「本当に1試合1試合粘り強く、臨機応変にやれるか。ワールドカップ以上にいろんなことが起きると思うので、どれだけ対応できるか。積み重ねっていうよりも1試合1試合の変化にどれだけ対応できるかが重要になると思います」

オマーン戦における「いろんなこと」のひとつに、レフェリーのミスジャッジがあったのは確かだろう。先制点となるPKを原口が獲得した場面、相手DFのタックルは明らかにボールへのチャレンジだったし、そもそもペナルティエリアの外だった。

一方、前半の終了間際、長友佑都のシュートブロックは明らかに手に当たっていた。いずれもVARが採用されていれば、反対の判定が下されていてもおかしくない。そうすれば、日本が0−1で負けていた。これにはキャプテンの吉田麻也も「どちらも運があった。中東でのゲームでは珍しいジャッジになったと思います」と苦笑した。

■初戦からの改善点

もちろん、トルクメニスタンとの初戦から改善された部分も少なくない。

例えば、コンビネーションによる崩しだ。原口がPKを獲得したシーンでは、原口の斜めのパスを堂安律がワンタッチでさばき、南野拓実がフィニッシュへと持ち込んだ。

この試合では南野は4度の決定機を迎えたが、その際、センターバックのマークを引き付けていた北川航也の働きも見逃せない。

ディフェンスラインから繰り出すロングフィードも効果的だった。なかでも鮮やかだったのが吉田から放たれる対角線のキックだ。右サイドにボールが渡ると、堂安と酒井宏樹のコンビネーションで右サイドを攻略した。酒井が上がるタイミング、堂安がインサイドに潜り込むタイミングも良かった。

「試合前に話していたんですけど、相手の出方を見ながら」と明かすのは、ボランチに入った遠藤航である。

「自分たちが受けられるときは、麻也くんも預けてくれたんですけど、相手も僕らを締めるようにプレスをして来ていたので、それならセンターバックが運んでビルドアップするのが理想かなって。あと、前回の試合の反省を生かして、足下、足下ではなく、動き出した選手をシンプルに使ってあげようとも話していました」

後半に入ってからも、遠藤がディフェンスラインに落ちて3バック気味にして、相手2トップを外すようなビルドアップを試みるようになる。この辺りまでは、ポジティブな面が多かった。

■次の3戦目をいかに使うか

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ところが、相手が日本のサイドバックの攻撃参加をマークするようになると、途端に攻めあぐねてしまう。トルクメニスタン戦のように前線が停滞し、次第に堂安も原口も中央に入り、居場所をなくした南野がボランチ付近まで下がる始末。相手にちょっと修正されただけで、できていたことが簡単にできなくなってしまったのだ。

振り返れば、前半も、危うさがあった。

右サイドに何本もフィードを通して自信を覗かせた吉田に対し、パートナーの冨安健洋は「パスコースがなくて蹴らされていた感覚もある」と語り、必ずしも狙どおりだったわけではないことを明かした。

また、北川にしても「欲しいタイミングでボールが出て来なかったり、ボール保持者が出したいときに自分が動いていなくて、合わないことがあった」と、攻撃の流れに乗れなかったことを悔やんだ。

選手たちが話し合い、ピッチの中で試行錯誤している様子は伝わってくる。それによって臨機応変に戦えている部分もあるが、あれができれば、これができなくなる、というように、どうもしっくりこない。そこに、原口の揺れ動く心情と「積み重ねではなく1試合、1試合」と強調した理由があるようにも感じられた。

初戦から改善された部分はたしかにあるが、それがチームとしてトレーニングされ、再現性のあるものなのか、それとも即興による産物なのか……。北川や武藤嘉紀が流れに乗れなかったり、ビルドアップでパスコースを見つけられなかったり、相手の対策で簡単に封じられたりする様子を見ると、後者なのかもしれない。

オマーン戦での勝利で2連勝となり、グループステージ突破が決まった。次のウズベキスタン戦ではメンバーを大幅に変更するのがセオリーだ。しかし、3、4人の変更にとどめ、連係を高めることに腐心したほうがいいかもしれない。サウジアラビアやカタールらラウンド16で対戦する可能性の高いチームの完成度を考えると、ウズベキスタン戦をサブ組の試合勘を養うためのゲームにする余裕はなさそうだ。

文=飯尾篤史

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