コラム:ミランにベッカムの入る余地はあるのか?

右SBという新たな可能性も…

David Beckham - Milan-Atalanta - Serie A (Grazia Neri)

早朝、玄関に置かれた大きな包みを開けるのとは違うし、小さな子どもに欲しがっていた自転車をあげようとサンタクロースが煙突から降りて来るのとも違う。それでも、クリスマス・プレゼントに変わりはない。数週間前から用意されて、折良く届けられる。

12月28日、デイビッド・ベッカムはミランに降り立ち、そのままシーズン終了までプレーする。LAギャラクシーからのレンタル移籍で、08-09シーズンの後半戦に続く、2シーズン連続でのミラン入り。昨シーズンはいずれも先発で18試合に出場し、2ゴール5アシストを記録。ミランの3位でのフィニッシュに貢献した。

今シーズンも同じようなインパクトを残せるのか?

ベッカムはロナウジーニョやジダンではないが、献身的なプレーでは群を抜くし、右足からのクロスの精度は一級品。一方で、ほかにこれといった武器はなく、ディフェンス力や得意のエリア(右サイド)以外でのプレーには疑問が残る。それでも、マンチェスター・ユナイテッドに数多くのタイトルをもたらしたし、レアル・マドリーをリーグ制覇に導いた実績もある。

とはいえ、セリエAでは状況が違う。今のミランの場合は特にそうだ。レオナルド監督は今シーズン、現有戦力を最大限に生かすためのシステムを採用している。それが4-2-1-3で、フラットな4バックにピルロとアンブロジーニの2センター、ロナウジージョ、ボリエッロ、パトの3トップと中盤をつなぐ役目を果たしているのがセードルフである。

つまり、ベッカムの入る余地はない。ピルロかアンブロジーニの代わりにセントラル・ミッドフィールドを務めるのが妥当に思えるかもしれないが、ベッカムは中盤の底からゲームをつくれるピルロのようなタイプでもないし、アンブロジーニの激しいディフェンスがなくなれば、4バックへの負担が増してしまう。

ベッカムが生きるのは右サイドで、そこからなら得意のクロスも入れられるし、中央に切れ込むこともできる。そうなるとパトを中央に移して、ボリエッロの代わりにターゲットマンとする手もある。ただし、ボリエッロは現在好調で、ベンチに座らせておくのはもったいない。それ以上に今シーズンのパトは、右から中央に切れ込むプレーで攻撃の核となっているし、本人もターゲットマンよりもセカンド・ストライカーのほうが向いていると分かっている。

もちろん、ロナウジーニョは今、手がつけられない。本人が輝きを取り戻しつつあるのはもちろん、チームで特別な役割、特別なポジションを与えられているからだ。3トップの左でイキイキとプレーしているロナウジーニョ。運動量やドリブルはそれほどでもないが、生まれながらの視野の広さで絶妙なスルーパスやクロスを供給している。ベッカムが右からロナウジーニョをサポートするというのも悪くはないが、そうなると今のフォーメーションを動かさざるを得ないし、それが賢明かどうかは微妙である。

いっそのこと、ベッカムを攻撃的な右サイドバックにしてはどうか? ザンブロッタが左サイドバックに回っているし、レオナルド監督はオッドに信頼を寄せていないため、右は空いている。そこにベッカムが入れば、右からの攻撃のオプションが増えるはずだ。ただし、右サイドバックとしてのプレーをベッカムがどの程度理解しているかは疑問である。

つまり、ベッカムと契約することとうまく活用することは別問題なのだ。

スバンカール・モンダル/Goal.com

 
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