コラム:リヨン戦で問われるベニテスの真価

追いつめられたときに強さを発揮するのがリヴァプールだが…

Champions League : Steven Gerrard & Rafael Benitez (Liverpool)

決して浮かれることがないラファエル・ベニテス。2005年のチャンピオンズリーグ決勝で大逆転勝利を収めたときでさえ、ほかのスタッフや選手たちが明け方まで飲めや歌えやの大騒ぎだった中、当時のチーフ・エグゼクティブ、リック・パリーを相手にまずいマークや落ち着きのなさ、ミラン・バロシュの出来の悪さを嘆いていたほどだった。

ベニテスはそういう人なのだ。だからこそ勝者になれたという人もいるだろう。バレンシアで2度のリーグ制覇とUEFAカップ優勝を果たして不朽の名声をつかみ、リヴァプールの監督に就任して1シーズン目にイスタンブールでビッグイヤーを獲得。彼は間違いなく名将である。

それゆえ、現在リヴァプールがプレミアリーグで首位チェルシーに9ポイント差をつけられ、その差がさらに広がりそうなサッカーに終始しているという事実が、必要以上にクローズアップされてしまっている。01-02シーズン、バレンシアで優勝したときも、シーズン序盤にはブーイングされていたというのに。

とはいえ4日のチャンピオンズリーグ第4節でリヨンに敗れた場合、ベニテスは先週末に1-3で敗れたフラム戦以上のしかめ面になりかねない。就任5年で初めてチャンピオンズリーグでのグループリーグ敗退の危機に直面するからだ。クラブの財政にとって痛手なのはもちろん、ベニテス自身の威信やサポーターからの信頼の低下にもつながりかねないだろう。

アウェーのリヨン戦では引き分けすら許されない状況のリヴァプール。グループEのもう1試合ではフィオレンティーナがハンガリーのデブレツェニをホームで倒す可能性が高く、すでに3ポイント差をつけられているイタリア勢にこれ以上離されないためには、リヴァプールも勝利を収めるしかない。

彼らがこれほど追いつめられているのは驚きだ。昨シーズン、プレミアでは惜しくも2位だったが、86ポイントと最後に優勝した90年以来の高ポイントを挙げたリヴァプール。それから半年でプレミアでもチャンピオンズリーグでも優勝争いから脱落しかけているのはなぜなのか?

明確な答えは誰にも分からないが、ライバルの進化と自分たちの後退が絡み合っている面は否定できない。シャビ・アロンソとアルバロ・アルベロアがレアル・マドリーに移籍してしまい、すでに選手層の薄さが明らかになっている。

アルベロアの代わりに大金を投じて獲得したグレン・ジョンソンは、タイプは違うとはいえ、リスクの高いタイプのプレーヤーだ。一方、アルベルト・アクイラーニはコンディションさえ整えば、シャビ・アロンソの抜けた大きな穴をある程度埋めることができるはずだ。前任のスペイン代表に比べると、攻撃的なタイプではあるが、パスのセンスやミドルシュートには定評があり、守りも無難だからだ。

リヴァプールの選手層に対する論争は今に始まったことではない。優勝したユナイテッドに4ポイント及ばなかった昨シーズンも、鳴り物入りで加わったロビー・キーンがわずか半年でトッテナムへ逆戻りした際には、フォワード不足を懸念する声が高まった。フェルナンド・トーレスがケガしたら、さらにはスティーブン・ジェラードまで離脱したらどうするのか、というわけだ。

実際、アンドリー・ヴォロニンもライアン・バベルもダビド・エンゴクも、レギュラーどころか準レギュラーにも定着できていないのが現状である。ベニテス本人ですら、昨シーズンはヘルタ・ベルリンへレンタル移籍していたヴォロニンを連れ戻しても、本気で戦力になると思っていたかどうか疑問なくらいだ。

それでも、追いつめられると真価を発揮するのがリヴァプール。4日にリヨンを倒せば、グループリーグ突破の可能性も出てくる。もちろん、残り2試合でも結果を出すのが条件で、こんなにケガ人続出のチームはいない。それでも、必要なときに満足な結果をこんなに出せる名将もほかにはいない。僕はあえてそう信じたい。

ニール・ジョーンズ/Goal.com UK

 
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