サッカーには驚きが詰まっている。ドラマや衝撃、予期せぬ出来事が起きてこそ、ビューティフルゲームなのだ。
バルセロナがチャンピオンズリーグ初挑戦のルビン・カザンにホームで1-2と敗れたのは、ヨーロッパサッカーはもちろん、クラブサッカー史上屈指の驚愕の出来事だろう。
確かに、まだグループリーグ第3戦。バルセロナにとってはそれほど尾を引く敗戦ではない。それでも相手は90年代初めにはロシアで3部相当のリーグにいて、2003年に初めてトップリーグに上がったチームである。しかもバルサは昨シーズン、スペイン勢として初めての3冠を達成。今シーズンに入っても、UEFAとスペインの2つのスーパーカップを制して勢いをキープしていた。
もちろん、どんなに強いチームでもいつかは負けるもの。バルセロナも例外ではない。そうだとしても、ロシア王者との戦いでグアルディオラのチームに何が起きたのか? 今思えば、先週末のバレンシア戦でのプレーが前兆だったのかもしれない。
インターナショナルブレイクがあったせいで、良い流れを失ったという見方もある。メスタージャでスコアレスドローというのはまさかの結果とは言えないが、試合の大半で相手に主導権を握られていたせいでかなり消耗したのは、自業自得という感じだった。
実際、疲れがあったのは間違いない。イブラヒモビッチ、イニエスタ、ダニエウ・アウベス、メッシ、シャビ。ルビン戦での動きはみんな悪くなかったが、代表から戻ったばかりで万全の状態だったかどうかは分からない。バルセロナのように精密なサッカーをするチームにとっては、少しの乱れもプレーに影響する。
世界で最も華麗なチームをつくったグアルディオラ監督だが、試合前後には地に足を着けることの重要性を強調し続けてきた。昨シーズン、どれだけ良いsプレーをして勝ったとしても、監督や選手がまず口にするのは「浮かれることなく、地に足を着けるのが大事」というコメントだった。
グアルディオラ体制になってから、自己満足や過信をしないことは選手全員に浸透していた。それだけに、彼らがルビンを甘く見ていたとは考えにくい。
出場停止のプジョールの代わりを務めたマルケスは負傷明けで試合勘に問題があったため、ルビンの先制ゴールのきっかけをつくってしまった。それでも30ヤードから決めたアレクサンデル・リャザンツェフも見事だった。
バルセロナの守備は、前線でのメッシ同様、プジョールに頼りすぎなのだろうか? キャプテンのプジョールがピッチにいたら、カウンターからルビンに決勝ゴールを奪われずに済んだのか?
今シーズンのプジョールはバルサでもスペイン代表でもディフェンスを支えている。バレンシア戦ではディフェンスラインを統率し、重要な局面でのインターセプトもあった。その存在感や影響力は計り知れず、プジョールがいないだけで、普段は落ち着いて見えるピケまで動揺が見られた。
ただ“運が悪かっただけ”と敗戦を深刻に捉えていない人も多いだろう。実際、2度もバーやポストに嫌われた。それでも、さらなる躓きを待っているアンチも、奮起を期待しているサポーターも、世界中がバルセロナの今後に注目している。
KS レオング/Goal.com