コラム:ブラジルとスペイン、どちらが強いのか?

机上では、スペインのほうがいいメンバーのように見えるが…

Torres, Cesc, Silva, Villa, Spain, Estonia (MARCA)

ワールドカップで5度の優勝を誇るブラジルと現在のヨーロッパ王者であるスペイン。今年のコンフェデレーションズカップ決勝で多くの人が実現を望み、来年のワールドカップ決勝でも再戦を期待した夢の対決である。

しかし、夢のカードは実現しなかった。準決勝でスペインがアメリカに敗れてしまい、ブラジルがまた1つ国際舞台での栄冠を増やす結果となったからだ。

伝統国同士の対戦が叶わなかったのは、これが初めてではない。2006年のワールドカップ準々決勝での激突も、スペインが決勝トーナメント1回戦でフランスに敗れたために実現しなかった。過去の対戦は8度で、ブラジルの4勝2分け2敗だが、最後に顔を合わせたのは1999年11月。スコアレスドローに終わったフレンドリーマッチで、10年も前になる。

今のスペインの力を考えれば、これまでとは違った対決になるはずだ。ライバルたちをかなり引き離して、世界のトップを併走している2チームの勝負を誰もが見たがっている。FIFAランキングでも1位と2位、過去20戦で1敗のブラジルに対し、スペインは41戦で1敗と互いに好調だ。

仮に今、両チームが激突したら、一体どちらが強いのか? ポジションごとに検証していこう。

GK ジュリオ・セザール対イケル・カシーシャス

ジュリオ・セザールは世界的な知名度こそ低いものの、カシージャスとともに世界屈指の守護神である。ストライカーと1対1の局面、至近距離からのシュート、反射的なセーブについては、甲乙つけがたい。しかし、空中戦はジュリオ・セザールのほうが上か。一方、横っ飛びのセーブではカシージャスの右に出る者はいない。

DF マイコン、ルシオ、ルイゾン、アンドレ・サントス対セルヒオ・ラモス、カルレス・プジョール、ジェラール・ピケ、ホアン・カプデビラ

マイコンとセルヒオ・ラモスは、攻撃的な右サイドバックとしては揃って屈指の存在。ただ、マイコンとポジションを争うダニエウ・アウベスも黙ってはいないだろう。

また、ルシオとピケも似たタイプのプレーヤー。ともに空中戦に強く、タックルの名手で、攻撃参加もお手の物。しかし、経験では10年の差がある。

ディフェンスの脆さは長い間、スペインのアキレス腱だったが、ここ数年でだいぶ改善され、ワールドカップ欧州予選でも堅守を誇っている。しかし、全体としてはブラジルが上回る。

MF エラーノ、カカー、ジウベルト・シウバ、フェリペ・メロ対シャビ、マルコス・セナ、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバ

ブラジルの中盤は攻撃的な魅力に溢れているわけではない。それでも、チームワークに基づいたしっかりとした組織があり、守りは統率が取れているし、運動量も多い。ジウベルト・シウバが自陣から出ることはほとんどないものの、フェリペ・メロの機を見た上がりは魅力的。4人のなかで創造性を持っているのはカカーだけで、エラーノはセットプレーで時折貢献している。

対照的にスペインの中盤はタレントの宝庫。現在、中盤の構成力で彼らを凌ぐチームはない。唯一対抗できそうなのは、シャビ・アロンソ、セスク・ファブレガス、フアン・マタといった、スペイン代表の控えメンバーくらいだろう。

汚れ仕事はマルコス・セナが一手に引き受け、あとの3人は絶妙なパス回しで緑のピッチに攻撃というアートを描きながら、敵をキリキリ舞いさせている。

FW ルイス・ファビアーノ、ロビーニョ対ダビド・ビジャ、フェルナンド・トーレス

ルイス・ファビアーノとビジャの決定力は群を抜いている。ブラジルのエースが代表での過去13戦で16ゴールを挙げているのに対し、スペインのエースも16戦で15ゴールをマーク。ロビーニョとトーレスの場合、そこまでの得点力はないが、エースのサポート役としての貢献は見逃せない。

特にカウンターを武器にしているブラジルにとって、ロビーニョのスピードとカカーとの連係は大きなものだ。一方、トーレスはマークを引きつけ、チームメートのためにスペースを開けている。

監督 ドゥンガ対ビセンテ・デル・ボスケ

少なくとも机上では、スペインのほうがいいメンバーのように見える。ただ、コンフェデレーションズカップでアメリカが示した通り、戦術や戦略でスター軍団を封じることができるのがサッカーだ。

ドゥンガのもと、魅力的なプレーと戦術的な駆け引きをうまく両立させているブラジル。忍耐強く、派手さを追わなくなったし、選手も90分間に何もかもを盛り込むようなプレーを要求されなくなった。

決して守備的ではないが、これまでのように攻撃がすべてという感じでもない。サポーターも、今のセレソンが華麗なプレーで相手を圧倒するようなチームではなくなったという事実を受け入れ始めている。

一方、デル・ボスケのチームはポゼッションあるのみ。相手のゴール前までずっとパスをつないで、ボールを運んでいく。この戦い方で過去41戦で1敗と成功を収めているスペインだが、ユーロ2008以降、自分たちと同じ格のチームとは対戦していないのも事実だ。

結論 試合を支配するのはスペインだろうし、ブラジルもそこで争うつもりはないはずだ。ルシオとルイゾンのセンターバックに対して、スペインが空中戦で勝てる見込みはないが、細かいパス回しで相手を混乱させることはできるに違いない。

対するブラジルの武器はカウンターである。右からマイコン、左からロビーニョが上がり、中央のカカーを経由して、最後はルイス・ファビアーノ。スペインが前がかりになるあまり、ディフェンスラインが手薄になっていたとしたら、簡単に崩されてしまう恐れはある。

果たして、夢の対決はどちらに軍配が上がるだろうか?

KS レオング Goal.com

 
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