コラム:例えマラドーナでも引導を渡すべき5つの理由

本大会出場の可能性は残っているが…

2009/09/15 7:48:53

Diego Maradona - Argentina (Mexsport)
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Diego Maradona - Argentina (Mexsport)

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第一にアルゼンチンがワールドカップ南米予選で敗退の危機にあることだ。過去2度、世界の頂点に立った大国が予選でまさかの3連敗。ペルー、ウルグアイとの残り2試合で結果を出せなければ、万事休すとなる恐れがある。彼らの命運は最終節、アウェーのウルグアイ戦に委ねられる可能性が高い。ただし、アルゼンチンは伝統的にモンデビデオのセンテナリオ・スタジアムを苦手にしていて、前回のワールドカップ予選で対戦したときも、レコバにゴールを許し、0-1と敗れている。それを思えば、何とか5位をキープして、北中米カリブ海の4位との大陸間プレーオフに臨んで勝つ以外、ワールドカップに辿り着く道はなさそうである。

そもそもアルゼンチンがこんな状況に陥っていること自体、問題なのだ。もしバシーレ監督が続投していたとしたら、すでに南米予選を突破できていたに違いない。彼らのようなチームが予選6試合(マラドーナ監督就任以降)で2勝というのはどうなのか? 予選敗退するには豪華すぎるほどワールドクラスのスターも揃っているが、仮に本大会出場を逃すようなことがあれば、70年大会以来となる。

次の理由はチーム内に不協和音が響いていること。地元紙の報道によれば、メンバーのなかにはマラドーナ監督と目を合わせない者もいるという。問題を数えればきりがないし、選手たちと監督の軋轢(あつれき)は高まっている。思ったような結果が出ていないせいで、双方とも相当のプレッシャーを感じているからだ。

なかでも一番の問題が、マラドーナ監督がどんなサッカーをしたいのか、選手たちが理解できていないことである。

日刊紙『La Nacion』では「監督のほうはこの苦境から抜け出すのに必要なハングリーさを持ち合わせていない選手がいると思っている。逆に選手のなかには監督の意図が見えないと感じ、何をしたいのかがはっきりしないせいで居心地が悪いと思っている者がいる」と伝えられている。

3つめの理由は不可解なメンバー選考。マラドーナの選考能力には疑問を感じる。レアル・マドリーのイグアイン、ラツィオのサラテ、インテルのサムエルとカンビアッソなど、ヨーロッパのクラブで活躍中のメンバーは選ばれていないし、D・ミリートやリサンドロ・ロペスといった力のあるストライカーは充分なチャンスを与えられていない。最も解せないのは35歳のパレルモと36歳のスキアビがブラジル戦、パラグアイ戦に招集されたこと。加えて、世界的には無名なベレス・サルスフィエルドのディフェンダー2人、オタメンディとドミンゲスをブラジル戦で先発に起用したことも批判の的となっている。

さらに11日には、一層の波紋を呼びそうなコメントをしたマラドーナ監督。ハングリーさに欠けるヨーロッパ組を何人か外し、よりやる気のある国内組を新たに招集する考えがあるというのだ。日刊スポーツ紙『Ole』によれば「私にはオプションがある。国内組なら、いい仕事をしてくれる。そういうメンバーとヨーロッパ組との連携で予選を突破したいと思う」と話しているとのことである。その上、新たに招集される国内組の多くは若手ではなくベテランだという。まさかアボンダンシエリやフルテス、オルテガ、ガジャルドのことだろうか? 一方で代表引退を表明しているボカの司令塔リケルメが復帰する可能性はないのか?

また、監督はメッシ、マスチェラーノ、アグエロといったヨーロッパ組のプレーには不満を持っていて、もはやチームに不動のメンバーは存在しない。ただし、この3人の選考漏れはさすがにないようで、エインセ、サネッティ、テベス、マキシ・ロドリゲスといったメンバーのなかから、外れる選手が出るかもしれない。

そして4つめの理由が宿敵ブラジルに敗れたこと。たとえどんな状況でも、ホームでブラジルに屈することは許されない。しかも完敗となれば、なおさらだ。6日の対戦では1-3とブラジルに圧倒され、それ以上の大差がついてもおかしくなかった。その間、マラドーナ監督はサイドライン際を行ったり来たりするだけで、何の手も打てず。劣勢を動かせなかったし、困惑しているようにさえ見えた。ちなみに、アルゼンチンがワールドカップ予選のホームゲームで負けたのは、過去50戦で2度目である。

しかもこの敗戦により、ブラジルに目の前でワールドカップ出場を決められてしまった。これ以上の屈辱はないのではないか? 思い起こせば4月の監督就任第2戦でも、ボリビアに1-6で敗れている。

最後になるが、マラドーナには監督としてのノウハウがない。モチベーターとしては一流かもしれないが、指揮官とは違う。ブラジル戦を前に、自分もピッチに立ちたいと話していたが、このような気持ちが邪魔をし、采配に集中できなかったのではないか? どういう風にチームを導けばいいのか、彼には分からないのだ。ブラジル戦とパラグアイ戦の戦術を見れば、策がないのは明らか。まずはアルゼンチンの国内リーグ、例えば愛するボカ・ジュニオルスで監督としての経験を積んでから、代表監督へとステップアップすべきだったのだ。それでも、最初はせいぜいアシスタントコーチくらいが妥当だったかもしれない。

とはいえ、まだすべてが終わったわけではないし、4位以内に入ってプレーオフ抜きでワールドカップ出場を果たせる可能も残している。アルゼンチンが本大会出場を果たせれば、マラドーナ監督にも本番までにチームを立て直す時間は充分あるが…。

Gregory Sica,Goal.com

 
 
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