移籍コラム:今年もミランの迷走は続く
早くもスクデット争いから脱落
2009/07/03 1:59:19
昨夏、7000万ユーロもの資金を投じながら、08-09シーズンのリーグ戦を3位で終え、UEFAカップで決勝トーナメント1回戦敗退と散々な一年を過ごしたミラン。バルセロナからFWロナウジーニョを獲得するなど、大型と言われるだけの補強を施しながら、結果的にファンを裏切ってしまった。だからこそ、今夏は堅実な補強でチームの改善を目指してもらい、セリエAだけではなく2年ぶりに出場するチャンピオンズリーグ(CL)での優勝争いに絡んでほしいものだ。
だが、ミラン首脳陣が移籍市場の開幕と同時に真っ先に行ったことは、エースの放出だった。クラブの財政難を理由に、MFカカーをレアル・マドリーに売却したのだ。正式決定の前には、ファンがクラブに対して猛抗議を行ったものの、マンチェスター・シティ移籍が破談となった昨冬の再現はならなかった。08-09シーズンをもって現役を退いたパオロ・マルディーニでさえ、「カカーなしでCL優勝は不可能」と言い放ち、ショックを隠しきれずにいた。
さらに悪いことに、ミランは今夏の移籍市場で、ファンを納得させる補強を施していない。つい先日までポルトからDFアリ・シソコの獲得に動いていたが、最終的にポルト側と合意に達することができなかった。また、ヴォルフスブルクのFWエディン・ゼコの獲得交渉も難航しており、即戦力の補強がないまま新シーズンの開幕を迎える可能性すら漂っている。リーグ戦で5連覇を目指すインテルが、ジェノアからFWディエゴ・ミリートとMFチアゴ・モッタを迎えた上、FWズラタン・イブラヒモビッチの引き止めに手を尽くしているというのに、ミランはお気楽なものだ。
あげく、ガッリアーニ副会長は6月27日、「リーグ戦での目標は3位以内」とコメントし、早くもスクデット争いからの脱落を“宣言”した。つまり、来シーズンのCL出場権を目標にしているということは、チームの出来次第ではヨーロッパリーグ狙いに視線を落とすことにもなりかねない。
ミランのオフィスから届けられたポジティブなニュースといえば、下部組織出身であるDFイニャツィオ・アバーテとMFダヴィデ・ディ・ジェンナーロをレンタル先から取り戻したことだろう。ただ、若返りを図る意味で彼らの加入は有益であるものの、両選手ともに即戦力としての期待はされておらず、補強と呼ぶことはできない。クラブ首脳陣がチームをこのまま放っておくなら、ミランは新シーズンも迷走することになるだろう。
文/塚田茂樹
