インタビュー GOAL × 森本貴幸(1)

7年ぶり日本復帰のストライカーにインタビュー
2006年夏に東京ヴェルディからカターニアに移籍して、丸7年。FW森本貴幸は、これまでのキャリアの大半を過ごしてきたイタリアを後にし、この夏からジェフユナイテッド市原・千葉でのプレーを開始した。18歳で渡った異国の地で、彼は何を感じてきたのか。母国で新たなスタートを切るストライカーに話を聞いた。

インタビュー/GOAL JAPAN編集長 チェーザレ・ポレンギ


【18歳でのイタリア挑戦】

チェーザレ(以下C): 久しぶりに日本に戻ってきて、どうでしたか?

森本(以下M): 暑かったですね(笑) イタリアも暑いですけど、日本の方が湿気が多くて気候が違いますので。

C: イタリアで7年間を過ごされて、様々な経験や思い出があったと思います。18歳でイタリアに行かれて、スタートはどうでしたか?

M: イタリア語も話せませんでしたし、知り合いも誰もいなくて、カターニアは別世界でした。でも助かったのは、チームメートがカターニアでの生活をすごく助けてくれたことですね。食事とか、練習をどうするかとか…。本当にチームメートには恵まれたと思います。

C: イタリア語の学習は? 誰かに習ったのか、友人などと話しているうちに覚えたのか…

M: 最初は少し勉強して、その後は友人やチームメートと話をしたりする中で自然に。はじめのうちはすごく難しかったですけどね。

C: チームでは毎日2時間くらい練習をすると思いますが、自由時間もたくさんあります。最初の頃はそのカターニアでの時間をどう過ごされていましたか?

M: 特に何ということもないですが、テレビを見たり、試合に行ったり、テレビゲームをしたり…特別なことはないですね。

C: イタリアでの食事はどうされていましたか? 自炊を?

M: 少しだけですね。ごく簡単なスパゲッティとか…(笑) あとはレストランに行っていました。イタリア料理は大好きですよ。スパゲッティ、ピッツァ…それに魚! 生魚もよく食べてました。カルパッチョとかカキとか…

C: 新生活の楽しさもあったとは思いますが、日本が懐かしくなることは? 帰りたいと思うこともありましたか?

M: 時々はありましたが、イタリアに行って、セリエAでプレーするのは自分で決めたことでしたので。自分自身に勝ちたいと思っていました。

C: 日本の家族や友人が会いに来ることも?

M: 時々はありましたし、イタリアでも日本人の友人は少しいました。最初の頃はメッシーナにいた柳沢(敦)さんにも時々会っていましたし、最近では長友(佑都)さんも。



【イタリアのサポーターについて】

C: カターニアのサポーターとの関係は?

M: カターニアのサポーターは、イタリアの他のチームと比べてもちょっと違いますね。チームに対してすごく熱狂的で。勝った時には選手は神様みたいな扱いですが、負けた時には色々言われて、町中を歩けないくらいで…。それだけ彼らは、サッカーが大好きなんですけどね。

C: 日本のサポーターとは違いますか?

M: そうですね、日本では、勝っていても負けていてもいつも応援してくれて、選手を支えてくれます。イタリアでは勝っている時と負けている時で大違いですね。毎週日曜日には勝たなければならない、アウェーでも勝ち点を持ち帰らないといけないという感じで。

C: イタリアでのサッカー選手の生活は日本より大変だと感じますが、それを通して選手はより強くなれると思いますか? 余計なストレスがたまるだけでしょうか?

M: 選手によりますが、そういうプレッシャーやストレスに勝つことができれば本当に強くなれると思います。でもイタリアでプレーするのは簡単ではないですね。ジャーナリストも、サポーターも、すごくプレッシャーをかけてきますので。そういうことに打ち勝てれば、選手は本当に強くなれるものだと思います。メンタル面、気持ちの面でも。

C: イタリアのスタジアムの雰囲気は、アウェーで戦う時にはすごく攻撃的ですが、若い頃に初めてプレーした時には恐怖もありましたか?

M: そうですね。空港に到着した時からもう、バスのところに相手サポーターが待っていて何か言ってきたり。日本ではそういうことはないですよね。

C: イタリアの熱気は、選手たちをより強くしてモチベーションを高めるためにプラスになっていると思いますか? ネガティブな面もあるでしょうか?

M: 僕としては、それがイタリアのサッカーだと思います。昨日今日始まったことではなく、もう何年もそうやってきたことですので。イタリアに素晴らしい選手が大勢いるということは、それもポジティブだということだと思います。

C: サポーターやメディアなどの面でイタリアでプレーするのは難しいと言われましたが、試合そのものはどうですか? イタリアのDFは?

M: 強いですね。皆さんご存知だとは思いますが。カターニアやノヴァーラのように小さなチームの場合、まずは失点をしないことを考えます。全員が下がってゴールを守って、ボールを奪うと僕のようなFWに渡しますが、そういう状況でボールを受けると1対3で襲ってこられたりして。やり方がちょっと違いますね。