プレミアリーグ前半戦総括:ビッグ4体制崩壊で向かう先は…

近年にない大混戦
プレミアリーグでは熱戦が続いているが、欧州の4大リーグはひとまずウィンターブレイクに入っている。2010年の終わりを前に、Goal.comでは各国リーグの今季前半戦を振り返る。リーグのベスト&ワースト3チームからリーグの様子を読み、個々のベスト、あるいはワーストも挙げる。チャンピオンズリーグ(CL)など欧州の舞台での戦いぶりは、星の数で評価。星5つを最大に、インパクトを表している。

◇Goal.com的ベスト3◇

1、無敗を続けるマンチェスター・ユナイテッド
2、マンチェスター・シティ、トラブル続出も上位につける
3、健闘光る昇格組で最多勝ち点のブラックプール


2010年をトップで終えたのは、マンチェスター・ユナイテッド。勝ちきれない試合の多さが気になるとはいえ、他の強豪が少なくとも4敗はしている中で無敗を継続していることは見事だ。何より、絶対的なエースであるFWウェイン・ルーニーの退団希望騒動がありながら、大崩れしなかったことに価値がある。前半戦は、FWディミタール・ベルバトフが真価を見せた。ここにルーニー本来の力が加われば、2011年はより魅力的なチームになるだろう。

2位にはこちらも順位表のとおり、マンチェスター・シティを選出した。ユナイテッド以上にピッチ外での騒動が話題になったが、気づけば現在、他の上位チームよりも消化試合が多いながらも2位。失点もの少なさも評価できる。そのほかでは、昇格組の健闘が目立った。特にブラックプールは8位と好位置につけており、さらなる上位進出も期待できそうだ。FWアンディ・キャロルの活躍で強豪撃破が目立つニューカッスルも、監督解任を除いては、充実の前半戦だった。



◆Goal.com的ワースト3◆

1、4強陥落の後遺症続くリヴァプール
2、開幕直前の波乱で安定を欠いたアストン・ヴィラ
3、チェルシーは序盤の圧倒的な強さから急降下



ある程度は予想されたことだが、良い意味で期待を裏切ることはできなかった。昨季トップ4の座を逃したリヴァプールは、2010-11シーズンも苦しんでいる。フラムからロイ・ホジソン監督を引き抜いたものの、他の強豪に比べて完成度が低いことは明白。10月から白星を手にするようになったが、勝ち点を得ている試合でも強豪らしいパフォーマンスを見せていないことは深刻だ。周囲がリヴァプールに望んでいるのは、2-0で勝利したチェルシー戦のようなプレーである。

開幕直前にマーティン・オニール監督が去ったアストン・ヴィラも、本来であればもっと上の順位にいるべきチームだ。後任となったジェラール・ウリエ監督は要所となる試合で大量失点が目立ち、ここまでリーグ最多タイとなる失点数。ここ6戦で5敗と苦しい状況のまま、2011年を迎える。

ここ2カ月の戦いだけで選出すれば、チェルシーはワーストチームに挙げられるはずだ。それでも、序盤の強さが圧倒的だったため、まだ致命傷にはなっていない。年内最終戦となった29日のボルトン戦で勝利を収めたのは大きい。ただ、MFフランク・ランパードやDFジョン・テリーといった主力が離脱すると、その穴を埋められないということは明確になった。選手層は今後の課題だ。


欧州でのインパクト☆☆☆☆

チャンピオンズリーグ(CL)出場4チームのうち3チームがグループ首位でベスト16進出。アーセナルも2位で決勝トーナメントに進出した。スペインとイタリアがともに3チーム、ドイツが2チームを決勝トーナメントに送り出していることを考えれば、イングランド勢の成果は見事だ。もっとも、イングランド勢にとってこれは普通のことで、今さら驚くようなことでない。ただ、これまでリヴァプールの場所だった位置を奪ってCLに挑戦することになったトッテナムの戦いは大きな衝撃を与えたと言える。グループA首位通過という結果はもちろんのこと、昨季の王者であるインテルを圧倒した一戦は見事だった。MFガレス・ベイルは、インテルとの2戦で一気に世界的な選手となっている。

ELでは、出場しているマンチェスター・シティとリヴァプールの2チームが、いずれもグループリーグを首位で突破。まずは第一関門突破というところだろうか。両チームの力を考えると、優勝を争う段階まで勝ち進まなければ、インパクトと呼ぶことはできない。

◇Goal.com的ベスト&ワースト~個人編~◆

覚醒

10代の頃から若手有望株と呼ばれ続けていたアーセナルMFサミル・ナスリが、ようやく一流の選手へと変貌を遂げた。主力でありキャプテンであるセスク・ファブレガスがケガで離脱を繰り返す間、圧倒的なスキルで攻撃陣をけん引。今の順位は、ナスリの爆発なくしてあり得なかっただろう。特に2-1で勝利を飾ったフラム戦の2ゴールは、強烈なインパクトを残した。

不振

期待はずれのチームには、期待に応えられていない選手がいるものだ。リヴァプールのエースであるフェルナンド・トーレスが、まさにそれにあたる。現に同選手が爆発した11月のチェルシー戦は、2-0でリヴァプールが完勝した。しかし、エースがコンスタントに好パフォーマンスを見せていない影響で、チームは低迷している。F・トーレスにすべての責任を負わせるのは酷だが、チームの浮沈の鍵を握るのがエースの宿命だ。今年夏からの新戦力であるMFジョー・コールの不振も、リヴァプール低迷に一役買ってしまった。

011年は?

優勝の行方

優勝の本命は、やはりマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーだろう。そこにアーセナルが続く形で、その中にどうやってマンチェスター・シティが絡んでくるのか、というところが見どころになると予想する。

ここまではユナイテッドが一歩リードしているものの、アウェーゲームでの白星はわずか1つ。優勝するクラブの数字ではないという印象だ。王者チェルシーの急降下を見ても、現在のプレミアリーグに絶対的なチームはいない。終盤戦になってもこの状況が続くのであれば、5位につけるトッテナムのような伏兵も面白い存在になり得るだろう。

第2勢力と残留

ビッグ4体制の崩壊に伴い、今シーズンのプレミアリーグは僅差の戦いが続いている。となると、EL出場権争いは紙一重の接戦になりそうだ。この争いから漏れてしまった中位チームは、一気に降格の危機も出てくる。最下位ウェスト・ハムは現時点で降格候補筆頭だが、ここ3試合で1勝2分けと調子を上げているところ。この影響で、6位ボルトンから最下位までは勝ち点12差しかなく、緊張感のあるバトルが繰り広げられそうだ。混戦の今季で生き残ったクラブに、未来の強豪を夢見る権利を得られる。勢力図が変わりつつあるプレミアリーグにおいて、2011年の戦いは今後の土台をつくる重要な勝負になるかもしれない。

プレミアリーグ12月31日時点
順位チーム勝点試合
1 マンチェスター・U 38 18
10
8
0
39
17
22
2 マンチェスター・C 38 20
11
5
4
32
16 16
3 アーセナル
36
19
11
3
5
39
22
17
4 チェルシー
34 19
10
4
5
33
15
18
5 トッテナム
33
19
9
6
4
29 23
6
6 ボルトン
29
20
7
8
5
32
26
6
7
サンダーランド
27
20
6
9
5
21
22
-1
8 ブラックプール
25
17
7
4
6
26
29
-3
9
ブラックバーン
25
20
7
4
9
26
31
-5
10 ストーク・シティ
24
19
7
3 9
23
24
-1
11 エヴァートン
22
19
4
10
5
21
22
-1
12 リヴァプール
22
18
6
4
8
21
23
-2
13 ニューカッスル
22
19
6
4
9
28
31
-3
14 ウェスト・ブロム
22 19
6
4
9
25
34
-9
15 アストン・ヴィラ
20
19
5 5
9
20
34
-14
16 ウィガン
20
19
4
8
7
17
31
-14
17 バーミンガム
19
18
3
10
5
18
21
-3
18
フラム
19
19
3
10
6
19
23
-4
19
ウォルヴァーハンプトン
18
19
5
3
11
20
32
-12
20
ウェスト・ハム
17
20
3
8
9
20
33
-13
◇得点ランキング◇
1位 ベルバトフ(マンチェスター・U) 14点
2位 テベス(マンチェスター・C)   12点
3位 キャロル(ニューカッスル)    11点
4位 ケイヒル(エヴァートン)       9点
4位 エルマンデル(ボルトン)      9点

























1~3位はCL本大会出場。4位はCL予選。5位はEL予選。18〜20位はチャンピオンシップ降格。