グーグルで、「Alcorcon」と打ち込んで、検索してみてほしい。世界中のサッカー・メディアによって打ち出された、けばけばしいばかりの誤植を発見することだろう。いや、これは誤植などではない。アルコルコンは、レアル・マドリーを4-0と下したのだ。
救済、復活祭、贖罪(しょくざい)のシーズンとなるはずだったものは、一夜にして混沌とした不名誉と屈辱へとおとしめられた。
レアル・マドリー、そう世界で最も裕福で、2番目に価値のあるクラブは、この惑星で過去に最も成功を収めてきたクラブである。形成するのに2億5000万ユーロもの巨費が掛かり、20世紀で最も偉大なクラブに選出された。そんなクラブが、マドリッドの南西に本拠を置く、たった38年の歴史しか持っておらず、2部B(実際の3部に相当)以上のレベルで戦ったことがないクラブに、0-4と大敗したのだ。
「白き巨大な城」の夏の移籍市場での気前の良いこと限りない支出があるからこそ、アルコルコンのようなクラブは、今後100年間も生きながらえていくことができる。そして、スタンドの貴賓席に芸術の粋を集めたバーを作れるほどの、豪華な余剰人員を生み出す。だが、数日前まで誰も名前を聞いたことがなかったようなクラブに0-4で負けるために、いかに2億5000万ユーロをつぎ込んだのかとつっ込むのはよそう。カカーとクリスティアーノ・ロナウドは、ともにそのピッチに立ってはいなかったのだから。
とはいえ、マヌエル・ペジェグリーニ監督がこの夜に起用しなかった選手たちを出場させても、満足な勝利に浸りながらスタジアムを後にすることはできたはずだ。最悪でも、無残な敗戦を免れることはできただろう。
ラウール・アルビオル、アルバロ・アルベロア、マアマドゥ・ディアラ、グティ、エステバ・グラネロ、ラファエル・ファン・デル・ファールト、ラウール、カリム・ベンゼマ…。これらの選手を起用すれば、セビージャやバレンシア、またはミランと対戦しても、恥ずかしくない結果を期待できる。これらの選手が、コパ・デル・レイだけに出場するのがおあつらえ向きだ、などと言いたいのではない。ただ、彼らはトップクラスの質を持ったフットボーラーであり、各国代表選手であり、数百万ユーロも稼ぐ男たちであるからこそ、常に結果を出すことが求められているのだと示したいのだ。
フロレンティーノ・ペレス会長とホルヘ・バルダーノGM(ゼネラルマネジャー)は、たった3000人しか収容できない小さなスタジアムで、居場所をなくしているように見えた。まるでスマートな着こなしをした2人の億万長者が、対戦相手の父兄である質素なTシャツとジーンズを身につけた観客が陣取る急ごしらえのスタンドで、小学生の試合を見ているかのようだった。そして、アルコルコンが得点し、高貴なる地元ファンが喝采を上げるびに、完全なる屈辱にまみれているように映った。
実際のところ、「メン・イン・ホワイト」は、もっとひどい結果で土にまみれる可能性もあった。彼らの相手は、あと数センチでオープニングゴールになるようなシュートをバーに当てている。そのほかにも、明らかなチャンスを3度つくり出していた。突然、昨季チャンピオンズリーグでのリヴァプールに対する2戦合計0-5の敗戦が、ましな結果だったと思えるようになったものだ。
多くの人々は当然、監督のこと――ペジェグリーニはいまだにチームを鼓舞して、スーパースターたちのベストを引き出そうとしてはいるのだが――や、急造の4バック(からきし駄目だったドレンテを頭の中から消し去るなら3バック)が緊張感のある試合で十分に時間を共有していなかったことを論じるかもしれない。だが、アルコルコンは、マドリーがプレシーズンに相対したどのチームほどもタフな相手ではなかったはずだ。決して見下したりはしないが、アルコルコンはマドリーが練習試合で対戦した相手ほど、巨大な障害ではなかったはずなのだ。
ペジェグリーニの選手たちが、サンチャゴ・ベルナベウでのセカンドレグで電光石火の急襲を仕掛け、試合を振り出しに戻そうがどうしようが、そんなことは取るに足らない話だ。欧州制覇を狙い、世界のフットボールの頂点への返り咲きを目論むクラブは、2段階も下のリーグを戦うチームに0-4で敗れなどしない。いつ何時、いかなる状況下、どんな大会であろうとも、だ。
0-1の敗戦なら、受け入れがたいものの、まだ理解しようがある。オフ明けや、カップ戦特有の下克上として、まれにある話ではあるからだ。しかし…、0-4だと? クラブのレジェンド、アルフレッド・ディ・ステファノがもしもまだ現役選手だったら、ロッカールームで口汚く毒ある言葉を吐き散らすに違いない、最悪の恥辱だ。おそらくFIFAは、マドリーに授与した「20世紀最高のクラブ」という看板を破棄することを考えるだろう。
世界最高のクラブ? 現状、レアル・マドリーはまず、彼らの街のベストクラブになる努力から始めなければならない。
KSレオング
あなたの意見は、下のコメントボックスから書き込んでください。