来年のワールドカップ(W杯)自国開催を喜ぶ南アフリカの3人の若者たち。前回に続き、彼らの考えに耳を傾けてみよう。
―南アフリカがW杯を開催することに、世界のメディアはポジティブに反応していると思いますか。それともネガティブでしょうか。
ザリナ:「とても複雑ですね。南アフリカに来るにあたり、人々が何を期待するのか誰にも分かりません。さらにこの大陸全体や、いまだ記憶に新しい我々の歴史へのさまざまな認識があるでしょう。そういったことが、これまで書かれてきたことに大きく影響を与えています。アフリカがW杯を開催するにはまだ早いと考える人々が、さらに影響を広げたのです」
「W杯への準備のために国中で見られる発展や、地元自治体によるけん引。また、世界のジャーナリストが時間を割いてこの国を見て回り、経験を分かち合うことで、ポジティブな影響が広まったはずです。ただ、新聞がよく売れるのは、悪いニュースが報じられたときというのは、残念な話です」
ブブゼラが南アフリカを彩るクライド:「世界のメディアは、えり好みしていました。すべての国にそれぞれ問題があるだろうと思いますが、すべての国が戦時中ではないのです。オーストラリアは特に、今回のW杯を開催したかったとはっきり言っています。彼らはクリケットやラグビーのW杯開催権を我々に取られた過去がありますからね。犯罪は克服すべき大きな問題ですが、我々は皆さんが信じ込まされているように戦争状態にあるわけではありません」
コケツォ:「世界の、特に欧州のメディアの取材は、南アフリカのW杯への準備について、ネガティブでフェアじゃないと思う。これでは世界中の読者が、インフラの整備やイベントの組織づくりにおいて、南アフリカは準備ができていないと思わされてしまう」
「私が最も危惧するのは、見方が客観的でも誠実でもないということです。特に犯罪に関する報道がひどく、犯罪率などいい加減です。他のすべての国と同じように犯罪がありますが、それは政府や地域組織委員会(LOC)が、南アがW杯を成功させるために払ってきた素晴らしい努力を否定することにはなりません。世界のメディアは、そのような話を取材しないのです。欧州の一部の人々は、FIFAがオーストラリアやイングランドではなく、南アに開催権を渡したことについて激しく批判しています。でもそのような悪意ある言動は、W杯を成功させようという南アの思いを強くさせるだけです。このW杯を期に、南アのイメージに関する一般的な問題が解決するというのが、私の願いです」
―今回のW杯は成功するでしょうか? 成功すると言うならば、その理由は?
ザリナ:「疑いなく、南アフリカは選挙やタクシーのストライキ、スタジアムのストライキのような変革期を乗り越え、今も歩みを続けています。南アフリカでの経験は、世界のほかの場所で開催される試合、大会とはまったく違ったものになるでしょう。ブブゼラやクドゥゼラ、マカラパが彩るスタジアムのファンの雰囲気は独特です。サッカー以外のことを楽しむにも、ファンは忙しくなるはずです。買い物やサファリ、博物館や各種のフェア、ギャラリーツアーにビーチと、この国を訪れた人が時間を割きたくなる場所はたくさんあります。一日の終わりには、たとえファンではなくとも素晴らしいフットボールを見たくなるはずです。楽しみを分かち合うべき多くの経験が待っています」
クライド:「成功に終わったコンフェデレーションズカップと、こちらも成功したインド・プレミアリーグの試合の招待を強調したいです。また、どれだけ早くスタジアムが作り上げられているか見てください。最近、ケープタウンにできたグリーンポイント・スタジアムに行きましたが、あれは傑作です」
サッカー・シティでも建設が進むコケツォ:「大成功のW杯になると思いますし、反対意見を持っている人を驚かせることになると思います。というのも、南アフリカは大きなスポーツイベントを運営した経験があるからです。特に、1995年のラグビーW杯と、2003年のクリケットW杯がそれにあたります。両方とも成功し、何かしら暴力の問題が起こることもありませんでした」
「インフラ面や組織的運営などへの疑問符は、すでに過去のものです。グローバル化が、地球上どこでも国内の素早い変化をもたらすようになりました。さまざまな発明がW杯のような世界規模のイベントの運営を可能にするのです」
「さらに、南アフリカはホテルや道路をどんどん増やしています。いくつかのスタジアムは完成し、ほかのものも完成間近です。今や大会前、また期間中と、国際的な積極性ととてもよく整備されたマーケティングの手法によって、南アフリカが、アフリカの国にもW杯を運営することができるのだと全世界に証明できるかは、我々次第です」
―南アフリカの国民は皆、W杯をサポートしていますか?
ザリナ:「反対意見を言う人は常にいますが、国民の大多数はW杯を100パーセント支持しています。スタジアムもほぼ完成し、人々のざわめきも徐々に大きくなっています。さらに重要なことに、関係する各チームが自分たちの位置を確立し始め、部外者は公式に排除されています。物事の現実感がとても強まってきたし、やってるんだ、できるんだ、という思いが出てきました」
南アフリカの人々もサッカーのビッグイベントを楽しみにしているクライド:「確かにイエスと言えます。そうじゃない結果を出している調査があるとしたら、それはただの嘘です。バファナ・バファナ(南アフリカ代表チームの愛称)を含めて、サッカーの試合にこれほどまでに多くの白人の姿があったことはありません。コンフェデレーションズカップは、いかにすべての人種、民族、そして政治信条を持った人たちが、このW杯を特別なものにするために努力するかを証明します」
コケツォ:「すべての人がW杯を後ろから支えていると信じたい。特に、このイベントの舞台を整え、国中がサッカー狂になるよう努力している、多くの仕事についてです。政府はさまざまな場所で、すべてはW杯のためにある、と非常にはっきりとさせました。国営放送の『SABC』は、『カウントダウン・トゥ・2010』という番組を始めました。これは、国民に来年のサッカーの一大イベントに向けて、国民を盛り上げていくためのものです。一般の国民は、全面的にW杯を支援しています。この大会が世界的なフットボールのスターも楽しませ、フットボールを愛する仲間に興奮をもたらすように、と」
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