移籍コラム:BRICsの胎動
リヴァプールが伸ばす触手
2009/07/01 16:07:09
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ニューヨークからメールが来た。「この夏のプレシーズンマッチの予定があれば、教えてほしい」。…ない。再び確認されたが、やはりない。一部では想像することすら難しい高額の移籍金が飛び交う移籍市場だが、世界的規模の大不況にやはり欧州サッカーも苦しめられているのかもしれない。
欧州クラブの日本を含んだアジアツアーは、夏の風物詩にさえなりかけていた。バルセロナというメガクラブが来たこともあれば、実現はしなかったものの森本貴幸が所属するカターニアが来日する計画もあった。だが今年は、そんな話はとんと聞こえてこない。
だが、しっかりとアジアへ手を伸ばしているクラブもある。リヴァプールは、インドの財団やイギリスのサッカービジネスを展開する会社などと提携して、サッカー普及に向けた施設をインド国内につくるという。その活動は、選手指導法やレフェリングの確立、人工芝やスポーツ科学の発展を担うという。「このプロジェクトは、インドのサッカー界に第一級の教育と野心をもたらすものだ」。リヴァプールのコマーシャル・ディレクターはこう語っている。
経済発展の著しいブラジル、ロシア、インド、中国は、その頭文字を取ってBRICsと呼ばれる。サッカー界でも、王国ブラジルは言わずもがなだが、ロシアも台頭著しい。中国では、特にプレミア勢がマーケット拡大に意欲旺盛だった。次はインドが標的になるのか。
このセンター設立でインドのレベルが上がれば、欧州に渡る選手も増えるかもしれない。その際には、付随してカネも動くことは想像に難くない。実際、プレミアリーグのクラブに中国人選手が加わり、ユニフォームの胸部分に中国語が踊ったことがあった。イギリスが旧宗主国だった香港など、中国ではプレミアリーグの放映が人気だという。ともに10億を超える人口を抱える中国、インド。人材の層の厚さ、そしてカネと、ポテンシャルは十分だ。
Goal.comのインド版は、この件を「リヴァプールのインドマーケットへの初めての侵略」と報じた。
