コラム:デ・ロッシはローマを去るべきか?

ビッグクラブへの移籍は必要なのか

2009/03/08 23:54:28

Daniele De Rossi - Inter-Roma - Serie A (Grazia Neri)
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Daniele De Rossi - Inter-Roma - Serie A (Grazia Neri)

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現代サッカーにおいて、選手がひとつのクラブでキャリアを終えることは、もはや現実的ではないのかもしれない。中小クラブで輝きを放つ選手達は、必然的にビッグクラブのターゲットとなり、そこには多額の移籍金が発生する。選手にとっても、より高いレベルの大会や試合でプレーする機会を得ることは大きな魅力であり、誰も彼らの“新たな挑戦”を止めることなどできないだろう。

 

サッカー界の発展は、同時に、クラブ、選手、そしてスポンサーに対し多くの金を生み出してきた。スポーツとしての本質を見失っているという懸念があることは確かだが、現代サッカーが持つビジネスとしての側面は、すでに後戻りできないほど大きなウェイトを占めているのが現状だ。

 

選手の移籍が盛んな現代において、ひとつのクラブに留まり続けることは、忠誠心の強い“義理堅い選手”か、もしくは新たな環境に飛び込むことを恐れる“臆病者”のどちらかとして受け取られる運命にあり、その“中間”はない。

 

ダニエレ・デ・ロッシは、ローマに留まり続ける限り、選手として満足のいく成績を収めることができずにキャリアを終えるリスクを負うことになるだろう。チームの同僚であるフランチェスコ・トッティを取り巻く現実――ローマでこれまでわずかに1度のスクデットを獲得したに過ぎず、またこの先引退するまでにさらなるタイトルを勝ち取る可能性も低い――がそれを表している。

 

トッティは、近年において最も才能に恵まれたフォワードのひとりだが、その存在が他の選手の陰に隠れてしまうことも珍しくない。これは、ティエリ・アンリやルート・ファン・ニステルローイらと比べて、彼にクラブレベルでの成功が不足しているからに他ならない。

 

トッティ同様、デ・ロッシも、彼のポジションにおいて最も優れた才能を持つ選手のひとりだ。25歳という年齢を考えた場合、あるいはトッティ以上の成功を収める可能性を秘めているとも言えるが、それもスタディオ・オリンピコ以外に活躍の舞台を移した場合に限られる話だろう。

 

理想を言えば、トッティとデ・ロッシ自身の手でローマを“ビッグクラブ”へと導くことが一番望ましいはずだが、すでに彼らはそのチャンスを逸してしまったように見受けられる。ビッグクラブとしてのステータスを維持し続ける方法を身につけているエリートクラブと違い、ローマの場合は単に努力するだけでは十分でなく、運も味方しなければ難しい――カルチョーポリの一件はローマにそのチャンスを与えたが、彼らはそれをモノにすることができなかった。

 

デ・ロッシにとってさらに厳しいのは、近い将来、チームがチャンピオンズ・リーグの舞台から姿を消す可能性があることだ。クラブはすでに多額の負債を抱えており、来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場権獲得(リーグ4位以内)が厳しい現状は、今後チームが負のサイクルに突入する危険性を示している。

 

デ・ロッシは、“ローマの”ラウールやライアン・ギグス、アレッサンドロ・デル・ピエーロには決してなれないだろう。クラブへの忠誠心だけでなく、選手として多くのものを勝ち取らない限りは、彼らのような存在として人々の記憶に残ることはない。ローマの“忠実な”サポーターからの支持だけでは十分とは言えないはずだ。

 

マンチェスター・シティからの誘いを断りミラン残留を決めたカカーは、「お金以上に大事なものがある」と言った。同様に、もしデ・ロッシが移籍を決断する場合は、金銭的な理由ではなく、選手としてのキャリアアップを最優先に考えるべきだろう。(確実にステップアップとなる)レアル・マドリーが、(ラッサナ・ディアラが加入するまで)彼の獲得に興味を示していたのは有名な話だ。一方で、スクデット争いのライバルへの移籍は、イタリアサッカー界を取り巻く不況を考えても実現するとは考えにくい。

 

もし彼がローマを去ることになった場合、その移籍先は海外、しかもプレミアリーグとなる可能性が高い。アーセナルが中盤の選手を欲しているのは周知の事実であり、彼ならば問題なくフィットできるはずだ。また、マンチェスター・ユナイテッドでは、ポール・スコールズの後継者として、アンデルソンもしくはマイケル・キャリックとコンビを組めば成功する可能性は高い。

 

彼の移籍先について話をするのは、現時点では時期尚早かもしれない。事実、彼はローマに満足しており、今なおクラブへの忠誠を誓っている。だが、もしチームがチャンピオンズ・リーグ出場を逃し、“適切な”クラブから打診があった場合、彼の忠誠心が揺らぐ可能性があるのも事実だ。そしてその場合、誰も彼の“野心”を責めることなどできないだろう。

 

Sulmaan Ahmad

 
 
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