08/09シーズンプレビュー:プレミア・ビッグ4

プレミアをリードする4チームの今シーズンの展望

Sir Alex Ferguson - Arsene Wenger , Manchester United - Arsenal (PA)

マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル、そしてリバプール。この4チームはプレミアリーグのビッグ4として、またヨーロッパのなかでも屈指のビッグクラブとして広くその名を知られている。間もなく幕を開ける08/09シーズン、リーグは再びこの4チームを中心に優勝争いが展開されることは間違いないだろう。はたして、ユナイテッドが3連覇を達成するのか、それともリバプールが19シーズンぶりの栄冠に輝くのか…ここでは、4チームそれぞれの戦力や展望などについて分析する。

 

マンチェスター・ユナイテッド

 

レッドデビルズ(マンチェスター・ユナイテッドの愛称)はこの2シーズン、大きな成功とともにプレミアリーグをリードしてきた存在だ。2007年にはリーグ優勝、そして昨シーズンはリーグとCLの2冠を達成している。

 

チームの中心となるのは、昨シーズン傑出したパフォーマンスで世界最高の選手へと上りつめたクリスティアーノ・ロナウドだ。そしてプレミア史上最も成功を収めた監督であるアレックス・ファーガソンが、今シーズンもチームを率いる。だが、オフシーズンのロナウドの移籍問題がチームに与える影響を考えると、彼らは万全の状態でシーズンを迎えるとは言いがたい。

 

ロナウドのこの夏の移籍騒動は、多くのファンに複雑な感情を抱かせたはずだ。彼は嫌われ者になるのか、それとも残留を決めたことでファンに受け入れられるのか――いずれにせよ、彼がチームを去っていれば大幅な戦力低下となっていたことを考えると、それ自体は大きな問題ではないだろう。夏の移籍市場でほとんど目立った動きをみせていないのは気になるところだが、それでも彼らがタイトルレースの本命であることに疑いの余地はない。

 

ブックメーカーのオッズもそれを証明している。イギリスの大手ブックメーカーは彼らを昨年に引き続き本命視(11/8)しており、ファーガソン監督も自身11度目のタイトル獲得に自信を持っている。スピードあふれる展開で相手チームを翻弄し、ロナウド、ルーニー、テベスのコンビネーションでディフェンスラインを切り裂いていた昨シーズンのようなサッカーを再び展開することができれば、ライバル達が彼らを打ち負かすことは困難を極めるだろう。

 

予想イレブン:ファン・デル・サール - エブラ、ヴィディッチ、ファーディナンド、ブラウン - ハーグリーブス、キャリック、アンデルソン、ロナウド - テベス、ルーニー

 

チェルシー

 

チェルシーは再びチームに大きな変革を加えることを決断した。ここ5シーズンで4人目の監督となるフェリペ・スコラーリは、さっそくかつての教え子――ボジングワならびにデコを合計2300万ユーロで獲得し、着々とチーム作りを進めている。昨シーズンはあと一歩のところでタイトル獲得はならなかったが、今シーズンも引き続きすべてのタイトルを狙える位置にいることは間違いない。はたしてスコラーリは、モウリーニョの存在を忘れさせてくれる監督となるのか――それは時間が教えてくれるはずだ。

 

ブックメーカーのオッズでは、マンチェスター・ユナイテッドに次ぐ2番人気(7/4)となっている。なかにはチームの年齢の高さを懸念する声もあるが、むしろ経験豊富な選手が揃っているという見方が正しいだろう。バラック、ランパード、デコ、テリー…リーグでも最高レベルの選手達を揃えたチームと言える。

 

彼らには強い精神力も備わっている。昨シーズン終盤のリーグにおける驚異的な粘りをみれば、彼らのタイトルに対する意欲、そしてタフな精神力がわかるはずだ。スコラーリはよりスペクタクルなサッカーの実践を約束しているが、チームにまず必要なのはタイトルであり、プレースタイルについては現時点で多くを求める必要はないだろう。

 

チームには、移籍市場が閉じられる今月末までにさらなる選手の加入があるかもしれない。噂されるカカーについては事の真偽は定かではないが、ひとつはっきりしていることは、もしカカーをミラノから連れて来ることのできるクラブがあるとすれば、それはチェルシー以外にはないということだ。

 

予想イレブン:チェフ - ボジングワ、カルバーリョ、テリー、A・コール - J・コールまたはミケル、エッシェン、デコ、ランパード、バラック- アネルカまたはドログバ

 

アーセナル

 

この夏はチームの何人かの選手達が移籍の噂に“巻き込まれた”アーセナルだが、若く、しかし経験のあるチームとしていよいよ新シーズンを迎えることとなる。フラミニとフレブの抜けた穴は大きいが、代わりにラムジー、ナスリ、ビショフといった将来有望な若手選手をチームに加え、2004年以来のプレミアの覇権奪還に挑む。

 

昨シーズンはリーグで3位、CLではベスト8に終わった彼らだが、今シーズン、ヴェンゲル監督は序盤戦でなるべく多くのポイントを稼ぎたいと考えていることだろう。幸い開幕戦は昇格組であるウェスト・ブロムウィッチとのホームゲームだ。ここでは確実に3ポイントを獲得し、開幕ダッシュに弾みをつけたい。

 

昨シーズン、選手達に不運な故障がなければ、マンチェスター・ユナイテッドの代わりに彼らがトロフィーを掲げていた可能性は高い。だが過去のことは早く忘れたほうがいいだろう。若く生まれ変わったチームに必要なのは前進することであり、そうすればおのずと結果はついてくるはずだ。

 

ブックメーカーのオッズでは彼らは3番人気(5/1)だが、昨シーズン彼らが首位からわずか4ポイント差でリーグを終えたことを考えると、上の2チームとの差はそれほど大きくはないだろう。ヴェンゲル監督は経験のあるミッドフィルダーをあとひとりチームに加えることを公言しており、もし実現すれば昨シーズン以上のチーム力となる可能性もある。昨シーズンの彼らはリーグで最も美しいサッカーを披露していたが、ゲームを決められる力が決定的に不足していたためタイトルには及ばなかった。だがこの問題を解決することができれば、それはすなわち彼らが今シーズンタイトル獲得に大きく近づくことを意味する。

 

予想イレブン:アルムニア - サニャ、トゥレ、ギャラス、クリシ - ロシツキ、ファブレガス、ディアビ、ナスリ - ファン・ペルシ、アデバヨール

 

リバプール

 

この夏、実に7人もの新戦力が加わることになったのがリバプールだ。なかでも、2030万ポンドでトッテナムから獲得したロビー・キーンは、フェルナンド・トーレスの理想的なパートナーとして期待されている。だが、ベニテス監督がおそらくキーン以上に獲得を望んでいるアストン・ヴィラのガレス・バリーについては、リバプールのオーナー陣がヴィラ側の求める移籍金の支払いを断ったため未だ獲得には至っていない。

 

リバプールファンが望んでいるのはただひとつ、19シーズンぶりとなるリーグタイトルの獲得だ。もしジェラードが実力どおりのプレーをし、トーレスが昨シーズンと同様にゴールを奪い、キーンがそれに続くことができれば…今シーズンのタイトルはリバプールの地に持ち帰られることになるだろう。

 

ブックメーカーが予想する彼らの優勝の可能性は“ビッグ3”に次ぐ4番目(6/1)だが、彼らを今シーズンの本命に推す声も少なからず聞かれている。ヨーロッパで成績を残している彼らが、国内で勝てない理由はない。国内リーグのタイトル数でマンチェスター・ユナイテッドがすぐ背後に迫っていることを考えても、今シーズンの彼らにはプレミアのトロフィーが絶対に必要なはずだ。

 

予想イレブン:レイナ - アルベロア、キャラガー、アッガー、ドッセーナ- マスチェラーノ、アロンソ - キーンまたはカイト、ジェラード、バベル - トーレス

 
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