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カンプ・ノウのピッチで屈辱を味わい、チャンピオンズリーグ・ベスト16での敗退が決まった今、PSGは顔を上げて今シーズンに向かうことができるのか?

「ここは、バルセロナだ」

チャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16、バルセロナ対パリ・サンジェルマンのセカンドレグの火蓋が切って落とされる前、カンプ・ノウの場内アナウンスから敵意を見出すことができた。

前半3分、ルイス・スアレスのゴールで先制すると、隣のバルサ担当記者は、早くも最初のタイトルを発信した――「命をつなぐ1点」。90分後、実際にバルセロナは命をつなぎ、フランス王者に6-1という結果で屈辱を与えただけでなく、ファーストレグの0-4という敗戦をひっくり返した史上初のチームとなった。

パリ・サンジェルマンの会長を務めるナーセル・アル=ヘライフィー氏は、黒い瞳をうつろにして、「我々にとって悪夢だ。何が起こったのか、信じられない」と語ることしかできなかった。準々決勝進出を絶たれたPSGは、CLからあまりに早い退場を強いられている。この不本意な結果から、ウナイ・エメリ監督が始めた新たなチーム作りを、どのように検証すればいいのか?

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PSGの選手の中には試合終了と同時に、チームの連帯について話し合いを持とうとするものさえいた。劇的な180分間をベンチから見守ったハテム・ベン・アルファは「今伝えるべきメッセージは、シーズンが終わるまで全力を尽くすということだ」とコメント。エメリ監督は「今日は、成長するために乗り越えるべき試練だった」と語った。さらに「努力を続ければ、PSGは今夜のようなチャンスをまたつかむことができると、私は確信している。選手たちには責任があり、クラブにとって大事な時に力不足であったことを忘れないでもらいたい」とチームがこの経験から多くを得ることを求めている。

また、キャプテンとして歴史の証人となってしまったチアゴ・シウバは「顔を上げなければならない。下を向いていては、何もできないからね。前を見て、日曜の試合(対ロリアン)のことを考えるべきだ。リーグ・アンで優勝しなければならないし、僕らのサッカーは続いていく。今日の試合は、みんなが知っているPSG、第1戦のPSGではなかった」とコメントするしかなかった。

■「エメリ監督の今後? そんなのは問題じゃない!」

木曜の休みをはさみ、PSGの選手たちは10日にカン・デ・ロッジュ(練習場)に戻ってきた。悪夢の夜の総括が行われるのは、その時だ。PSGのロッカールームには、いまだ失意の余韻が漂っていることだろう。首脳陣もそれは同じだ。指揮官の去就問題が盛んに報じられることも驚きではない。「エメリ監督の今後? そんなのは問題じゃない!」と、アル=ヘライフィー氏はうわさ話を一掃したが、監督の地位は脅かされつつある。

しかしながら、エメリ監督がこんな短期間で危機に陥ったと想像するのは予想外であった。というより、カタール側(首脳陣)が無能すぎることになるではないか。こういった難しい状況の中、エメリ監督にとってはこれからの数週間、非常にタフな試合が待ち受けている。リヨンで開催されるクープ・ドゥ・ラ・リーグの決勝ではASモナコと対戦し(4月1日)、激動のリーグ・アンの他にも、クープ・ドゥ・フランスで優勝するためには3試合に勝たなければならない。PSGは些細なミスも許されない状況なのだ。

マルコ・ヴェッラッティは「この敗戦を力に変えていかなければならない。たとえ今は、ポジティブになれそうになくても」と24歳の若さながら、責任感を持っている様子だ。とにかく、PSGのスタッフは幸運を信じて、チームをもう一度奮い立たせる言葉を見つけなければならない。今後が取り沙汰されている選手たちに対しても。

幸いなことに、PSGのロッカールームは、これまで悪くない雰囲気であった。それどころか、2017年が明けてから、パリの人々はのんきとも言えるような生きる喜びを享受してきた。今回の敗戦は、近い将来ヨーロッパの大会でタイトルを勝ち取るべき選手たちの、真の能力を試すものとなるだろう。2016年4月、マンチェスター・シティを相手にしたエティハド・スタジアムでの敗戦は大動乱を引き起こし、当時のローラン・ブラン監督はチームを立て直すことができなかった。2017年のカンプ・ノウでの敗戦は、クラブに激震を走らせるかもしれない。PSGはこのショックを長く引きずることになるのだろうか。

文=ロイク・タンツィ/Loïc Tanzi

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