コラム:フランスの現状は妥当? それとも期待外れなのか?
ここまでの戦いを見る限り、ドメネクを擁護するのは難しい
2009/09/12 0:22:39
逆境になると力を発揮する、それがフランス。しかし、結果としてワールドカップ予選でグループ首位には立てていないのも事実である。数字上、まだ可能性は残されているが、レイモン・ドメネク監督率いる『レ・ブルー』がトップ通過する方に賭けるのは、よほど勇気のある人だけだろう。
組み合わせが決まったとき、グループ7でフランスがこれだけ苦労する事態は予想外だった。ユーロ2008では振るわなかったとはいえ、1位通過できると多くの人が思っていた。その判断自体が間違っていたのか? それとも、ドメネクのチームは正当な期待をまたも裏切ったのか?
9日には首位のセルビアと1-1で引き分け。しかしこの試合は、開始10分ほどでキーパーのロリスがジジッチへのタックルにより一発退場になってしまうという特殊な状況だったので、ある程度同情の余地はある。ロリスへのレッドカードは厳しすぎるとの見方もあったし、彼は両センターバック、ギャラスとアビダルの連携ミスの犠牲になったに過ぎない。この15カ月、フランスにはこういうミスが目立つ。センターバックの脆さは顕著だが、それはドメネク監督がギャラスのパートナーを探せないでいるせいだ。
ローマで良いプレーを見せているメクセスを推す声も根強いが、代表のユニフォームを着るとあまり良いところがない。それでも、彼にもう少しチャンスを与えてもいい気はする。 27歳になったメクセスだが、代表でのプレーは7年間でたった13度。しかも、3試合連続でピッチに立ったことは1度もなく、パートナーとの相互理解を深める機会に恵まれていない。
もちろんその7年間、ずっとドメネクが指揮を執っていたわけではないし、前任の監督たちもメクセスに対して似たような扱いをしていた。ドメネク監督が問題なのは、ギャラスのパートナーとして特定のセンターバックを信頼して使っていないこと。予選8試合を見ても、メクセス、アビダル、エスキュデ、ブームソン、スキラシと毎回のように選手を入れ替えているのだから、笑うしかない。守りの要とも言えるセンターバックが不安定なのは当然だ。
対照的に両サイドバックはエブラとサニャで固定されていて、クリシやファンニが割り込む余地はなさそうだ。また、セントラル・ミッドフィールドも攻撃参加は一切期待できないラッサナ・ディアラとトゥラランと決まっている。2人とも良い選手なのは間違いないが、合わせて50キャップを誇りながらノーゴールというのはどうなのか。格下相手との対戦では、ドメネク監督ももう少し現実的なメンバー選びをしてほしい。
そして、システム。4-2-3-1と聞くと、攻撃的な選手が4人いるからかなり魅力的なプレーをイメージするはずだ。しかしフランスの場合、予選8試合で10ゴールと物足りない。もちろんタレントはそろっている。アンリ、リベリ、ベンゼマ、アネルカはヨーロッパのトップクラブでもスターだし、グルキュフとジニャックはリーグアン屈指の有望株だ。
これだけのメンバーがいるのに、相手の守りをなかなか崩せないでいる。2006年10月、アウェーでスコットランドに0-1と敗れて以来、フランスの不敗神話は崩壊。相手チームはカウンターやセットプレー狙いではなく、自信を持って真っ向勝負を挑んできている。もちろん、この姿勢がいつも報われるわけではない。現にリトアニアは2試合とも0-1でフランス戦を落とした。それでも、接戦に持ち込んだのは確かだ。
一方で前がかりのフランスには混乱が目立ち、待ち構えている相手ディフェンダーを引き出すのが難しいほどの狭いエリアで、短く速いパスを回すことに執着しすぎている。
加えてベンゼマは代表での居心地の悪さを認めている。代表でのプレーも悪くはないが、クラブレベルでの活躍に比べると首を傾げたくなる面もある。同じく代表での経験の浅さを感じさせるのが、グルキュフ。ボルドーで見せているような、ひらめきあふれるプレーは影を潜めている。リベリ、アネルカ、そしてセルビア戦で代表50ゴールを挙げ、チームを救ったアンリがいるとなると、若い2人が主役になれないのは仕方がないのか?
ただ、これだけのメンバーを自由に使える立場で、フェロー諸島のようなチームに苦戦を強いられていては、監督の責任が問われても文句は言えないし、ここまでの戦いを見る限り、ドメネクを擁護するのは難しい。
前回、同じようにドメネク監督への批判が集まったときは、勇敢にも続投を支持したフランスサッカー協会のエスカレッテ会長。しかし出場が濃厚なプレーオフで、万が一敗れて南アフリカ行きを逃すようなことになれば、会長もさすがにかばいきれないだろう。
Robin Bairner,Goal.com
