EAFF E-1選手権2017で初タイトルを目指す高倉ジャパン

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なでしこジャパンは、12月8日〜15日に千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)で開催されるEAFF E-1サッカー選手権2017に出場し、3大会ぶりの優勝を目指す。

日本開催となる今回のEAFF E-1選手権でなでしこジャパンは、8日の初戦で韓国と対戦し、その後、中2日で11日には中国と対戦。さらに、中3日で15日に北朝鮮と対戦する。今大会は、来年4月にヨルダンで開催予定のAFC女子アジアカップ(兼2019FIFA女子ワールドカップ・フランス大会のアジア最終予選)の前哨戦でもある。

出場国のFIFAランキングは2017年12月6日現在、日本が8位、北朝鮮が10位、中国が13位、韓国が15位で、過去5大会でも実力伯仲の戦いを繰り広げてきた。日本はこの大会で、前任の佐々木則夫監督時代に2度、優勝(2008年、2010年)しているが、ここ数年はタイトルから遠ざかっており、2015年の前回大会は4ヶ国中3位だった。現在は、高倉麻子監督の就任から約1年半が経ち、チームの核となる選手が絞られてきた中で迎える大会だ。

「なでしこジャパンでは心・技・体に、知能を求めています。フィジカル的に(他国に)劣る部分もありますが、その分、サッカーを理解して、組織力や頭の良さ、賢く戦える部分を高めようとしています」(高倉監督)

高倉ジャパンはリーグ戦の合間を縫って、この1年半で6度の海外遠征と5度の国内合宿を実施。国内外から幅広く選手を招集して、戦い方のコンセプトの浸透を図りながら、同時に戦力の見極めも行ってきた。目指すサッカーは、高い技術と判断力、走力をベースに、相手陣内の高い位置からボールを奪い、多彩なコンビネーションからゴールを奪う攻撃的なスタイルだ。その先に見据えるのは、2019FIFA女子ワールドカップ(フランス)と2020東京オリンピックでの優勝だ。短期間で複数試合を戦う世界大会を見据え、高倉監督は選手のポジションやメンバー同士の組み合わせを固定することなく、「誰が出ても力が落ちない」、「どの組み合わせでもコンビネーションを生み出せる」チーム作りを進めてきた。

今大会に招集された23人のメンバーに目を向けると、なでしこリーグでプレーする国内組が中心となっている。海外組からは唯一、シーズンが終了しているアメリカのDF宇津木瑠美(シアトル・レインFC)が選出された。代表チームでの出場試合数が10試合に満たない経験の浅い若手も半数近くいるため、公式戦の雰囲気や、開催国のプレッシャーを経験する貴重な機会になるだろう。

初戦で対戦する韓国は、日本や北朝鮮同様、育成年代で結果を残してきた。高倉監督は「韓国は、メンバーを(これまでと)大きく変えずに、組織的な部分でも順調に積み上げている印象です」と話す。2戦目で対戦する中国は、伝統的に国を挙げた強化策を進めている。「中国は(最近)監督が変わって、どんなサッカーをしてくるかは未知数」と、高倉監督は警戒を怠らない。1980年代から90年代にかけてアジアで無敵を誇った古豪の勢いは不気味だ。3戦目の北朝鮮は、直近の2大会で優勝しているディフェンディング・チャンピオンだ。北朝鮮はワールドカップ予選ですでに敗退が決まっているものの、昨年のU-17女子ワールドカップとU-20女子ワールドカップで世界一に輝いたように、フィジカルの強さと勝利への執念を前面に押し出すサッカーが特徴で、手強い相手であることは間違いない。高倉監督も「攻守ともに力強いサッカーをしてくるのではないかと思います」と、予想している。

今大会のなでしこジャパンにおいてキープレーヤーとなるのは?

今大会、なでしこジャパンで活躍が期待される選手の一人が、FW田中美南(日テレ・ベレーザ)だ。田中はなでしこリーグでここ2年連続、得点王に輝いており、特に今シーズンはチームを勝利へと導くゴールを多く決めて日テレ・ベレーザのリーグ3連覇に貢献した。体幹の力強さを活かしたボールキープやターンから繰り出されるシュートは、海外遠征で経験を積んだこの1年間で、さらに力強さを増している。そして、このチームの攻守を牽引する軸となるのが、背番号10のMF阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)だ。阪口は高い技術と戦術眼を武器に、なでしこジャパンの主力として、国際舞台で数々のタイトル獲得に貢献してきた。

また、今年7月のアメリカ遠征で初招集され、29歳で代表デビューしたMF櫨(はじ)まどか(伊賀フットボールクラブくノ一)や、豊富な運動量で攻撃を牽引するMF中島依美(INAC神戸レオネッサ)、年代別代表から順調にキャリアを積み上げてきたMF猶本光(浦和レッズレディース)、今年なでしこジャパンに初招集され、11試合で3ゴールを決めているFW籾木結花(日テレ・ベレーザ)など、攻撃陣の顔ぶれは多彩だ。

守備陣に目を移すと、今大会は国際Aマッチ期間に開催される国際試合ではないため、フランスでプレーしているDF熊谷紗希(オリンピック・リヨン)が選出されていない。そんな中、熊谷に代わってディフェンスリーダーとしての活躍が期待されるのが、宇津木だ。相手選手との球際で見せる、ボール奪取の迫力に注目したい。また、本職は左サイドバックながら、高倉ジャパンでは様々なポジションを務めてきたDF鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)のスピード感あふれるプレーにも注目。また足下のボールさばきに長け、フィードがうまく、安定感のあるGK池田咲紀子(浦和レッズレディース)が正GK争いをリードしている。

なでしこジャパンは11月20日から25日まで、来年のアジアカップの視察も兼ねてヨルダン遠征を行い、24日にはヨルダン女子代表との親善試合に2-0で勝利した。この試合では、FW岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)が2ゴールを挙げた。岩渕は度重なるケガからの復帰を目指して、5年間プレーしたドイツから3月に帰国し、7月から現チームに加入、着実にコンディションを上げている。今大会でもやはり、岩渕のゴールに期待がかかる。

今大会は結果もさることながら、このチームが目指すサッカーをピッチ上でどのように実践するのか、各選手の積極的なチャレンジに期待したい。また、このチームの強みでもある攻撃力を得点に結び付けることができるかどうかも見どころである。

「攻守ともにアグレシッシブに戦い続けるスタイルを出しながら、優勝を目指してチーム一丸となって戦いたいと思います」(高倉監督)

来年のアジアカップに向けて、高倉ジャパン発足後の1年半で積み上げてきた成果が試される大会となる。

文=松原渓

【EAFF E-1 サッカー選手権2017(女子) 大会スケジュール】

12月8日(金)  千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)
16:10 キックオフ(予定) 中国女子代表 vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表
18:55 キックオフ(予定) なでしこジャパン(日本女子代表)vs 韓国女子代表

12月11日(月)  千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)
16:10 キックオフ(予定) 朝鮮民主主義人民共和国女子代表 vs 韓国女子代表
18:55 キックオフ(予定) なでしこジャパン(日本女子代表)vs 中国女子代表

12月15日(金)  千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)
16:10 キックオフ(予定) 韓国女子代表 vs 中国女子代表
18:55 キックオフ(予定) なでしこジャパン(日本女子代表) vs 朝鮮民主主義人民共和国女子代表

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