退任を明言するハリル流仕事の選び方…過去には後悔も/独占インタビュー

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多くの国やクラブで指揮を執ってきたハリルホジッチ。どのような観点で新天地を決めてきたのか、その言葉から探る。

日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、去就について今後どのような決断を下すのだろうか。『Goal』フランス語版の独占インタビューで、そのヒントとなる言葉を口にしている。

ハリルホジッチは今年6月に行われるロシア・ワールドカップを最後に日本代表での冒険を終えることを明言している。次の行き先についていまだ明かしていない。「チャンピオンズリーグで優勝を目指すようなクラブを率いてみたい」と話す一方で、クラブチームと代表チームの違いを説明し、自身は後者に向いていると考えているようだ。

2017-11-10-japan-Vahid_Halilhodzic

「クラブの監督と代表チームの監督では大きく仕事が異なる。クラブで毎日のように選手と接するのは難しい。代表チームでは、10日間で2試合のために準備をする。完全に異なる仕事だ。より多くの集中と豊富な経験が必要とされる。とても違いがはっきりしているミッションだよ」

「代表チームでの仕事のほうが)私には合っていると時々思う。代表チームの合宿がない時には、オフィスで試合を分析し、細かなディテールを詰めるための作業をしている。だから、代表チームでの活動が始まったときには、すべての準備が整っている。アドリブでどうこうするのではなく、入念な準備が必要なんだ。私の仕事、そしてこれまでの経験が代表チームでの仕事には大きく役立っていると信じている」

フランス国内のチームからトルコのトラブゾンスポル、コートジボワール代表、アルジェリア代表と様々な国やチームで指揮を執ってきたハリルホジッチ。多くの決断を下してきた一方で、後悔することもあったようだ。

「ブラジルでのワールドカップ終了後、様々なチームからオファーがあった。そこで私は多くの人には理解できないような決断をした。本当のところを言うと、私自身もよくわかっていなかった。しかし、私は友人でもあるトラブゾンの会長と約束をしてしまったんだ。彼は『君ならチャンピオンになれる』と言った。(ワールドカップで)ドイツと戦った翌週には、トラブゾンで仕事を始めていた。見たこともない選手、知らない選手が数多くいる中で仕事を始めたんだ。運の悪いことに、チームの周囲にいた人間はあまり良くなかった。私はとても失望したよ」

2018-01-09-halil-trabzon

アルジェリア代表を率いて2014年ブラジル・ワールドカップで躍進を果たしたハリルが、新天地に選んだのはトルコのトラブゾンスポル。ビッグクラブでのオファーを断り、ハリルは友人との約束を優先させた。トラブゾンスポルでは2006年以来2度目の指揮となったが、半年足らずで契約解除。「私のキャリアの中で、常に良い決断をしてきたわけではないということは認めなければいけない」と話し、より良い行き先があったことを認めている。

「私は賢くなかったと言っても良い。そんな時は、友人の友人に背中を押されたことで決断をしてしまった」

「トラブゾンではなく、もっと面白そうな選択肢はあった。自分がどこに行くのか気が付いたとき、私は友人にそれが良い方向に進むとは思えないと話をした。そのとおり、うまくいかなかった。幸いなことに、良い形でそこを離れることはできたが、ヨーロッパのビッグクラブからのオファーを断ったのは間違いだったということがわかったよ」

他方で、ハリルホジッチの下、大きな成功を収めたチームも存在する。その一つがアルジェリア代表だ。ハリルホジッチが率いたアルジェリア代表は、4度目のワールドカップ出場にして初めてグループステージ突破を決めた。しかしそれから3年が経過し、ロシア・ワールドカップアフリカ3次予選ではグループBで最下位に。ハリルホジッチは自身の退任後にチームが“壊れた”と語る。

2018-01-09-halil-2014

「2014年のワールドカップの前には辞めることを決めていた。協会の首脳陣の振る舞いをあまりよく思っていなかったからだ。アルジェリアの人々、協会の首脳陣や政治家たちも私を留まらせようとあらゆることをしたのだが、私はすでに決断していた。最高のチームを作ることができたし、未来に向けても良い準備ができていた。しかし、残念ながら彼らはワールドカップ後、上手くやることができなかった。残念ながら、もはや当時のチームはほとんど存在していない。私を中心に、多くの年月をかけて作り上げたものを、すべて壊してしまった」

続けて、教え子たちについては同情しているとも話す。「選手たちはかわいそうだと思う。何人かの選手たちは私が辞めてからも、電話をかけてきてくれる」と明かした上で、大きな成功の後に、すべてが無に還ってしまったと残念がる。

「あのチームは若いチームで、とても良くトレーニングをしたチームだった。私がアルジェリアの監督に就任した当時も、とてもデリケートな時期だった。モロッコに0-4で敗れたのを引きずっていた。国中が悲しみに暮れていたといってもよいだろう。大惨事と言えたが、そこから3年がかりでチームを作って行ったんだ。ハードワークし、我々全員がワールドカップでの美しいパフォーマンスに値する仕事をしてきた。そしてアルジェリア代表は、多くの人から支持される戦いぶりをした。しかしその後、とても短い間にすべてがなくなってしまったんだ」

アルジェリアへの思いを語りながらも、現在は日本代表での仕事に集中していると強調するハリル。今後についての決断も急ぐことはないようだ。

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「すでにいくつかのチームからはコンタクトがある。私がこの先何をするかはあまり急いで考えたくない。どうなるだろうね。サッカーの世界では、あらゆることが起こりうる。すべてのことが変わりうるんだ。先ほども言ったように、私のこれまでの決断は、いつも賢いものではなかったし、良い選択ばかりをしてきたわけではない。でもその事実も受け入れなければならない」

「私の指導者としてのキャリアで、私が最も好きなことは私が行った至る所で、人々が私を受け入れてくれたことだ。どこにいっても、それがアフリカであろうが、ヨーロッパであろうが、みんなが私のことを愛してくれた。リールでも、パリ・サンジェルマンでも、アルジェリアでも…私の行ったところすべてに良い印象が残っている。それこそが私にとっての最高の満足であり、大きな報酬だと言えるよ」

ハリルホジッチは独自の観点で決断を下し、自身の新たな職場を決定する。ときには後悔もするが、それも監督業の一つと達観している。“大きな報酬”を受け取るため、今日も彼はデスクに向かう。

インタビュー・文=ナッシム・ベネドラ/Nassim Beneddra

構成=Goal編集部

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