稀代のマエストロや偉大な“バンディエラ”も…2017年に引退した名選手をピックアップ

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2017年には、サッカー界の歴史を作った選手たちが次々に引退を発表。その偉大なキャリアにピリオドを打った。今回『Goal』は、そんなレジェンドたちを紹介する。

2017年もあと数日。様々な出来事が起きた1年間で、多くの有名人がそのキャリアにピリオドを打った。フィギュアスケーターとして世界で活躍した浅田真央さんや、日本女子ゴルフ界を牽引してきた宮里藍さん。芸能界でも、女優の堀北真希さんや、歌手の安室奈美恵さん(2018年での引退を発表)など、時代を築いてきた多くの方が表舞台から去ることを決断した。

欧州サッカー界でも同じく、歴史に名を残すような偉大な選手たちが次々に引退を発表した年となった。2000年代のサッカー界をけん引した名選手たちがスパイクを脱ぐことを決断し、サッカー年表の1つの時代が終了したとも言えるだろう。

今回『Goal』では、2017年にピッチに別れを告げた名選手をピックアップ。クラブの歴代最多得点を持つ“鉄人”や、稀代のマエストロ、ワン・クラブマンとして“バンディエラ”となったあの選手たちを紹介する。

■フランク・ランパード

Frank Lampard Chelsea Champions League

チェルシーで通算632試合に出場、MFながらクラブ史上最多の211ゴール――。名実ともにチェルシーのレジェンドであるランパード氏は、クラブの黄金期を築き、プレミアリーグで3度の優勝、チャンピオンズリーグ(CL)制覇など、数々の成功を収めてきた。

また、ミッドフィルダーとしては異例のプレミアリーグ164試合連続出場を果たした“鉄人”は、イングランド代表としても106試合に出場。21歳のデビュー以降、ワールドカップに4度出場し、イングランド最高のMFの1人としてチェルシーファンのみならず、世界中の人々から愛されてきた。

今年の2月に、22年にも及ぶ偉大なキャリアに終止符を打ったランパード。しかし、サッカーへの情熱は失っておらず、将来的にチェルシーの指揮をとりたいとの希望を明かしている。

■アンドレア・ピルロ(イタリア)

Andrea Pirlo Juventus

稀代のマエストロも、今年引退を発表した1人だ。インテル、ミラン、ユヴェントスというイタリアの名門3クラブでプレー。ミラン時代にカルロ・アンチェロッティ監督のもと、中盤の底で起用され、黄金期を築いたチームを支え続けた。

ロッソネリでセリエA優勝2回、CL制覇2回を経験した後、2011年に32歳という年齢でユヴェントスへ移籍。初年度にいきなりチームをリーグ優勝に導くと、在籍4シーズンすべてでセリエAを制した。2012年からは3年連続で、セリエA最優秀選手に輝いている。

また、イタリア代表としても116試合に出場。2006年にはW杯制覇も経験し、W杯とEUROにそれぞれ3回出場している。

中盤の底でボールとチームを操る「レジスタ」というポジションを確立したピルロは、38歳となった今年の11月に引退を発表。22年のプロキャリアにピリオドを打った。間違いなくイタリアサッカー史に名を残すレジェンドだ。

■カカ

2017-11-23-milan-kaka

 

カルロ・アンチェロッティ政権下で黄金期を築いたミランをけん引した1人。多くのサッカーファンにCL決勝史上最高の逆転劇と記憶される04-05シーズンの決勝(延長戦を終えて3-3、PK戦3-2でリヴァプールが勝利)では悔しい思いをしたが、同じカードとなった06-07シーズンの決勝戦では先発としてリベンジに貢献した。

カカは、2007年のバロンドールを受賞。リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドが同賞を独占する前、最後の受賞者となった。またブラジル代表として、2002年W杯では優勝を経験している。

レアル・マドリーではケガに苦しんだが、2013年に愛するミランに復帰。その後、キャリアをスタートさせたサンパウロでもプレーし、12月にMLSのオーランド・シティで引退を発表した。

■フィリップ・ラーム

Philipp Lahm Bayern Munich

多くのサッカー関係者から「まだできる」と惜しまれつつも、昨シーズン終了とともにスパイクを脱いだ。2003年にローン先のシュトゥットガルトでトップチームデビューを果たしたラームは、バイエルンで517試合に出場し、キャプテンとしてブンデスリーガ5連覇を達成したチームをけん引した。

また、ドイツ代表としても113試合に出場し、2014年ワールドカップ優勝を達成。キャプテンとしてW杯、そしてCLを制した史上4人目の選手となっている。

なお、バイエルンの選手として出場した公式戦516試合で、退場処分を受けたことは一度もない。12年間に渡ってブンデスリーガ331試合を戦ったが、警告を受けたのはわずか20回。シーズンにつき3枚以上のイエローカードを出されたことも一度もなかった。

■シャビ・アロンソ

Xabi Alonso

ラームと同じく、昨季終了後にピッチに別れを告げたシャビ・アロンソ。19歳のときにレアル・ソシエダでトップチームデビューを果たすと、リヴァプールやレアル・マドリー、バイエルンといった各国を代表するクラブでプレーしてきた。

CL優勝2回や国内リーグ4度制覇、スペイン代表としてW杯優勝1回やEURO連覇など、キャリア通算で20ものタイトルを獲得してきた。

今後は監督業への挑戦を明かしている。

■フランチェスコ・トッティ

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説明不要のローマの“バンディエラ”。16歳で「スタディオ・オリンピコ」のピッチを踏むと、25シーズンに渡って愛するクラブにすべてを捧げた。

21歳だった1997-98シーズンからは、キャプテンとしてチームをけん引。2000-01シーズンは元日本代表MF中田英寿氏ともプレーし、18シーズンぶりとなる悲願のスクデット獲得を達成。2006-07シーズン、リーグ得点王に輝くと、セリエA最優秀選手賞を受賞した。また、イタリア代表としても2006年のW杯ドイツ大会では主力としてプレー。決勝でも先発し、世界王者となった。

これまで25年のキャリアでリーグ618試合に出場。250ゴールは、セリエA歴代2位の記録である。また、38歳59日で記録したCLでのゴールは、史上最年長記録として今も破られていない。

数々のタイトル、記録を持つ偉大な選手であるトッティだが、ピッチ外ではおちゃめな一面も。

ある日、チームメイトに「3年かかるものを俺は3ヶ月で作ってやった。天才だろ?」とジグソーパズルを自慢していたが、それは「3years(3歳児用)」であったという。

また、国際電話をかけようとした時、オペレーターに「10番を押してください」と言われた際には、「俺の電話には9番までしかないんだけど…」と答えたことも。さらに、当時イタリアで話題となった「悩みを50%解決できる本」を、100%解決するために2冊購入したり……。中には作られた話もあるかもしれないが、多くの天然(?)エピソードが残っており、その人柄からファンやチームメイトだけでなく、世界中の人間から愛され続けた。

2017年5月28日、2016-17シーズン最終戦の後、本拠地「スタディオ・オリンピコ」で行われた引退セレモニーで、サポーターへ涙ながらに感謝の意を伝えたトッティ。選手としての偉大なキャリアにピリオドを打った“バンディエラ”は、現在クラブの幹部として活動している。

■訪れた時代の転換期

2017年には、この他にもアーセナル無敗優勝時のメンバーであるDFコロ・トゥーレや、ケガに泣かされ続けるもピッチでは見るものを楽しませ続けたMFトマーシュ・ロシツキー、愛するフェイエノールトを優勝に導き、引退を発表したFWディルク・カイトら、多くの選手がスパイクを脱いだ。

また、ユヴェントスで未だ世界最高レベルのパフォーマンスを見せるGKジャンルイジ・ブッフォンも2018年での引退を発表(CLで優勝できたら現役を続けることも示唆)。さらにバルセロナで一時代を築いたMFシャビ・エルナンデスやFWロナウジーニョ、チェルシー黄金期を支えたFWディディエ・ドログバらも、来年での引退を明言している。

昨年も、スティーブン・ジェラード氏やフアン・カルロス・バレロン氏など、数々の名選手がピッチから去っていった。2017年、そして2018年も時代を築いた選手たちがスパイクを脱ぐことになる。

ここ数年で、サッカー界をリードし世界中のファンを楽しませ続けてくれた名選手が引退し、寂しさを覚える方も多いのではないだろうか。

それでも、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドは未だ健在。さらにネイマールやハリー・ケイン、キリアン・ムバッペなど、新世代の選手たちが活躍を見せている。時代の転換期を迎えたといはいえ、まだまだフットボールは我々を楽しませてくれるに違いない。

文=河又シュート

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