移籍市場で見えたチェルシーの方向性…コンテがもたらした確かな“マインド”とは

シェア閉じる コメント
モウリーニョは昨シーズン、かつて自分が率いたチェルシーのフィロソフィーを疑問視していたが、今夏の補強によりアントニオ・コンテの目指すスタイルはさらに強固なものとなった。

「チェルシーの戦い方には驚いているよ。彼らは、違ったスタイルを求めていたからね。素晴らしい守備とカウンターアタックを3、4人で仕掛けて相手を崩すにはぴったりな素晴らしい選手たちが揃っている」

モウリーニョのこのコメントは、マインドゲームなのか、不満か、はたまた現実的な分析に過ぎないのだろうか。

今年3月にイギリス『BBC』の番組「Football Focus」でモウリーニョのコメントは様々な捉えられ方をしているが、アントニオ・コンテがチェルシーにもたらしたそのマインドについては今なお議論されていることである。

“スペシャルワン”を自称するモウリーニョはその数カ月前にも自身がかつて率いたクラブに関してこのようにコメントしている。

「彼らは1点を奪って勝つ。守備に多くの時間を費やす。リードしていて、最後の20分になるとDFを投入するんだ。周りが何を言っているか、何を思っているかは気にしない。ただ勝ちたいんだ」

Jose Mourinho Chelsea style

チェルシーはプレミアリーグ制覇をした2016-17シーズン、1-0での勝利が5試合、そしてそれ以外のスコアで1点差での勝利が7試合あった。

勝ち星を挙げることができなかった9月の後、コンテは勝利の方程式を築き上げ、残りのシーズンを通して自分たちの戦い方を恥じることはなくなった、それにより比較的簡単にスタンフォード・ブリッジにイングランド王者の栄冠を取り戻すことに成功している。

開幕から2カ月で勝ち点を8落としたが、その後の32試合ではわずかに11ポイントを逃しただけであった。

また、開幕から6試合でクリーンシートはわずか1試合のみであったが、その後は15試合でクリーンシートを達成し、後を追いかけるライバルに7ポイント差をつけてリーグタイトルを奪還したのだった。

メンバーの中では、ダビド・ルイスはパリ・サンジェルマンから復帰後、プレーステーションの腕前ではなく、CBとして多くの称賛を集め、セサル・アスピリクエタとマルコス・アロンソは目立たないながらも着実で効果的な仕事をし、ティボー・クルトゥワはゴールデングラブ賞を獲得。極めつけに、1年目のヌゴロ・カンテはイングランド・プロサッカー選手協会の年間最優秀選手に選ばれた。

一体どのようにして、このような成功を収めたのか。Chelsea defensive summer signings 2017

コンテは現役時代、色気のない真面目なタイプのMFで、彼のイタリア人としてのマインドには強固な守備が成功をもたらすというポリシーが刷り込まれているが、今シーズンはより破壊的なチームを構成してきた。それについてモウリーニョは、8月18日にこのように語っている。

「彼らは良いチームで、良い選手が揃い、当然タイトルを狙えるチームだ。人々は(ネマニャ・マティッチのような)中盤の重要な選手を失ったというが、一人失った代わりに、(ティエムエ・)バカヨコと(ダニー・)ドリンクウォーターを獲得して、一体何が問題だというのだ? 問題は選手を放出したのに、だれも穴埋めを獲得しなかったときのことだ。選手を放出しても、違う選手を獲得し続けていれば、問題などないだろう。それ以上に、チームはより強くなっているはずだ」

そして、カンテを3,200万ポンド(約45億円)で獲得してから12カ月後、移籍市場の締め切り間際にチェルシーはカンテと同じレスターからイングランド代表のドリンクウォーターを3,500万ポンド(約49億円)で獲得した。

コンテは今夏の移籍市場で7人の選手を獲得したが、そのうちの5人(ドリンクウォーター、バカヨコ、アントニオ・リュディガー、ダヴィデ・ザッパコスタ、ウィリー・カバジェロ)は守備に特徴のある選手となった。

彼らの獲得に1億ポンド以上を費やし、改めて守備を締めることが成功を手にする秘訣であるという法則に則ったのだった。

N'Golo Kante Danny Drinkwater Leicester 15 16

27歳のドリンクウォーターがチェルシーの補強リストに挙がっているというのは当初は驚きでもあったが、賢い投資であったことが証明されるかもしれない。彼はプレミアリーグ王者であり、そのポジションに求められるすべての要素を兼ね備えた選手である。

また、ドリンクウォーターは2015-16シーズン、カンテとともにコンビを組み大成功を収めた。スタッツ的にもボールタッチ数、インターセプト回数、ボール奪還数で目を見張るような数値を残し、そして汗かき役もこなしたことで、リヤド・マフレズとジェイミー・バーディーにニュースのヘッドラインを飾るような活躍の場をもたらしていたのであった。

言わずもがな、カンテと同じくカウンターで持ち味を発揮する選手だ。チェルシーが昨季と同じような戦い方を選択するなら、ドリンクウォーターは問題なくチームに馴染むことができるだろう。それはつまり、チェルシーが確たるマインドを得て、戦うことを意味するのだ。

文=クリス・バートン/Chris Burton

次の記事:
移籍当初から疑問視されていたパウリーニョ「批判を覆すことを考えてはいない」
次の記事:
9カ月ぶりスタメン復帰のギュンドアン、再負傷もペップは「深刻なものではない」
次の記事:
アトレティコがビルバオに2−1勝利…シメオネは「フットボールでは努力が報われ、結果が目に見える」/リーガ第5節
次の記事:
故障に悩まされ続けたウィルシャー、3年ぶりにフル出場...アーセナルで先発は500日ぶり
次の記事:
FIFProワールドイレブン候補者55選手が発表...レアルから最多の13選手が選出
閉じる