浅野拓磨に突きつけられた課題…2トップでチャンス拡大となるか【海外日本人前半戦総括】

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海外で戦うサムライたちは2017-18シーズンの前半戦をどのように過ごしたのか? 歓喜の瞬間を迎えた者、充実の日々を送った者、葛藤してもがき苦しんだ者……。彼らが過ごした半年を、改めて振り返る。

浅野拓磨(シュトゥットガルト)

前半戦の結果:15試合出場(先発7)・1得点・0アシスト

チーム内の序列:2シャドーのバックアッパー

前半戦採点:50点。決定力不足を露呈し、肝心のゴールが「1」に留まる

後半戦の目標:一つでも多くのゴールを奪うこと

文=遠藤孝輔

■持ち味のスピードは十分に通用

上位陣と伍して渡り合う健闘も見せたシュトゥットガルトが14位で前半戦を終えた要因は、大きく分けて二つある。一つは極端なまでの“内弁慶”だ。リーグワーストの1分け8敗と、アウェーの成績がすこぶる悪かった。もう一つは攻撃陣の決定力不足を置いてほかにない。2シーズン連続で2部得点王に輝いた主将、ジモン・テロッデ(今冬に古巣のケルンへ移籍)がトップリーグの壁にぶち当たれば、かつてのエースであるダニエル・ギンチェクはいわば代名詞のケガもあり、2、3年前の輝きを取り戻せなかった。

3-4-2-1システムの「2」が主戦場のタレントを見ても、アナスタシオス・ドニス、ベルカイ・エズジャン、ヨシプ・ブレカロ(今冬にレンタル元であるヴォルフスブルクへ復帰)、そして、浅野拓磨は揃ってフィニッシュの精度を欠いた。まずまずの決定力を発揮したのは、チームトップの4得点を挙げたチャドラク・アコロくらいだろう。

コンゴ民主共和国代表のこのアタッカーとの定位置争いで、浅野は後れをとった格好だ。出番自体はチームのフィールドプレーヤーでは3位タイだが、先発に名を連ねたのは7試合と多くない。ギンチェク、アコロ、ドニスが負傷離脱しなければ、出番はもっと限られたのではないか。もちろん、第13節のハノーファー戦でブンデスリーガ初得点を記録するなど、貴重な経験を積んだのはポジティブに捉えられる要素だが……。

持ち味のスピードに関しては十分に通用するところを見せた。その強みを活かすためのオフ・ザ・ボールの動き、パスの出し手とのコンビネーションも悪くなく、最終ラインの裏に鋭く抜け出してボールを受ける場面が散見された。ただし、ドリブル突破を武器に独力で局面を打開したドニス、アコロほどの強烈なインパクトは放てなかった。前半戦のパフォーマンスに最も納得していないのは他ならぬ浅野だろう。

■新加入の大物ゴメスと良好な関係を築けるか

シーズン後半に向け、楽観的な展望は描けない。浅野がやりやすさを感じている最前線は、今冬に8年半ぶりの復帰を果たしたドイツ代表FWマリオ・ゴメスの指定席になるのが濃厚。シュトゥットガルトのハネス・ヴォルフ監督は典型的なストライカーの起用にこだわらず、スピード自慢のドニスや浅野を1トップに据える柔軟な采配も振るうが、それはテロッデが期待を裏切ったから。後半戦はゴメスを前線の柱として据えるはずだ。

浅野にとって直接の競争相手になるのは、ドニス、アコロ、エズジャンだろう。前述のようにドニスとアコロの打開力は非凡なものがあり、司令塔タイプのエズジャンはプレースキッカーを務めるなど希少価値が高い。ここに負傷離脱中で2月以降の復帰が見込まれる快足アタッカーのカルロス・マネ(プレースタイルも背格好もアコロと似通う選手だ)が加われば、浅野がシャドーの5番手に甘んじる可能性もゼロではない。

その一方で、1月6日のテストマッチ(対トゥウェンテ)で試した4-4-2が基本システムとなった場合はチャンスが膨らむのではないか。その一戦でゴメスと2トップを組んだ浅野には、2列目でこそ輝くドニスやアコロ、エズジャンよりFWの適性があるからだ。FWの2番手であり、1月8日のテストマッチ(対オーステンデ)で2得点のギンチェクを押しのけるのは容易ではないが、酸いも甘いも噛み分けるビッグネームと良好な関係を築けるかがポイントになる。いずれにせよ、テロッデとは比較にならない実績を携えた点取り屋のゴメスから、決定力に難のある浅野が得られるものは小さくないだろう。

シーズン後のロシア・ワールドカップ出場を見据える浅野の目標は、やはり一つでも多くのゴールを奪うこと。チームのチャンスメイク力が決して低くないうえ、浅野の決定機に絡む動きも悪くない。あとは決めきれるかどうか。課題ははっきりしている。

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