柏レイソルの遅れてきた新戦力…“感謝の男”ハモン・ロペスが待望のヒーローに

シェア閉じる コメント
今季は期待されているような働きを見せられていなかった新戦力が、ついに結果で応えてみせる。ハモン・ロペスが試合後に吐き出した思いは喜びと感謝に溢れていた。

「本当に最高ですね」

記者会見の最後で、柏レイソル・下平隆宏監督にこの日一番の笑顔が飛び出した。勝利そのものではなく、起用に結果で応えたハモン・ロペスについて問われた時のことだった。

チームにとって大きな勝利であることは間違いない。そして何より、思うような結果が残せず苦しんでいた新戦力に今季初ゴールが生まれたことが嬉しかったからだろう。

■プラン変更で得た勝ち点3

柏は9日、明治安田生命J1リーグ第25節で浦和レッズと対戦。シーズン前半の対戦では本拠地で圧倒し、勝利をつかんだが、この日は立場が逆転。堀孝史監督が4バックを採用し、ホームの大声援を受ける浦和に前半はほとんどチャンスを作り出すことができなかった。

下平監督も浦和のシステムが予想外だったことを認め、思うような戦いにならなかったことを語っている。

「ピッチ状態があまり良くないことと、散水なしになったことで、我々のスタイルであるポゼッションをしっかり高めていくスタイルは、今日は難しいかなと思っていました。浦和さんのシステムが予想と違ったことにかなり戸惑って苦しい前半でした」

それでも、中盤を半ば省略する割り切った戦いが後半に奏功した。カウンターからのワンチャンスをブラジル人トリオが大事につなぎ、最後にゴール前で落ち着いた切り返しから、利き足とは逆の右足でネットを揺らしたのはハモン・ロペスだ。

50分、クリスティアーノからの浮き球に抜け出したオリヴェイラが前線でキープ。「特徴であるパワーを生かし、タメを作ってくれた」と同胞に賛辞を送り、あとは右足を振り切るだけだった。得意の左足ではないゴールとなったが、「切り返した瞬間に前にスペースが空いているのが見えていたので、思い切って振ったよ」と、顔をほころばせた。

価値ある先制弾をこのように振り返ったブラジル人レフティーは、86分にも粘りから武富孝介の追加点をお膳立て。味方のアバウトなクリアボールにも反応し、左サイドで遠藤航とのマッチアップに果敢に挑んでいく。「正直、ゴールラインを割ると思った」と語った言葉に嘘はないだろう。しかし同時に、フォア・ザ・チームの精神も働いた。

「エリアの中でチームメイトがボールを待っているのが分かった。ここは、もうひと踏ん張りと思い、必死に追い掛けた」

2017-09-11-kashiwa-taketomi

終盤には浦和からの猛攻を受け、PKで1点を失うが、何とか2-1で逃げ切った。これで柏は、今季浦和から2勝もぎ取ったのと同時に、リーグ戦7試合負けなしとして、順位を3位まで上げている。

■苦労は感謝へ

難しい試合でチームに勝ち点3をもたらしたハモン・ロペスは、ベガルタ仙台から期待を集めて加入したが、開幕戦でのケガもあってベンチを温める時間は決して短くなかった。ここまでリーグ戦ノーゴールという結果も、彼の初年度が困難なものになっていることを示している。

それでも腐ることなく、チームへの適応に努めていた彼に生まれた待望のゴール。足は自然とベンチへ向かっていた。

「自分は長期間、戦線離脱してベンチを温めるような時間が長かった。だからその中で選手がチーム一丸となって戦っていくという意味と、サブのメンバーたちに最初に喜びを伝えたいという思いでベンチに走って行った」

2017-09-11-kashiwa-ramon

もちろん、20番のブラジル人FWが胸のうちに秘める思いはスタンドで見守ったファンへも向いている。

広告

「サポーターの皆さんも長らく自分の得点を期待して待ってくれていたと思うので、こういった形で非常に難しいゲーム、そして重要な試合で得点を決められたことは自分にとっても喜ばしい。次につながる非常に貴重な、いい得点だったんじゃないかな」

チームメイト、ファンへの感謝を忘れないロペスは試合後には黄色く染まったアウェイゴール裏のスタンド前で拡声器を手にした。すでに馴染みきっている二人の先輩、クリスティアーノとディエゴ・オリヴェイラが慣れた様子でタオルを回しているのとは対照的に、通訳を待って戸惑いにも似た表情で何かを伝える。“恒例行事”にまだ親しみがないことは見て取れたが、柏にとって欠かせない戦力となりつつあることは明らか。この日の勝利で首位の鹿島アントラーズまで勝ち点6差の3位。20番がおなじみのダンスに慣れて楽しく踊るようになった時、柏レイソルの状況はさらに好転しているはずだ。

取材・文=平松凌(Goal編集部)

次の記事:
バルサ首脳陣退任を求め9000人が署名...不信任動議に残すは7570人分
次の記事:
レアル・マドリー、ビルバオGKケパに関心...現在の契約解除金は1000万ユーロ
次の記事:
長期離脱のデンベレ、試合前から痛みを感じていた?バルサは芝の状態を問題視
次の記事:
ミヤトビッチ氏、批判を浴びるベイルに「私なら売却していた。マドリーに適応していない」
次の記事:
酒井高徳所属HSVのもう1人の日本人が活躍…レイソル出身の若手が2軍の“ダーリング”に
閉じる