尻上がりだった香川真司、後半戦で求められる精神面の強さとは?【海外日本人前半戦総括】

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海外で戦うサムライたちは2017-18シーズンの前半戦をどのように過ごしたのか? 歓喜の瞬間を迎えた者、充実の日々を送った者、葛藤してもがき苦しんだ者……。彼らが過ごした半年を、改めて振り返る。

香川真司(ドルトムント)

前半戦結果:チームは大不振に見舞われるも、自身はパフォーマンスを上げて中断期間へ。

チーム内序列:序盤は出遅れたものの年末にかけては中心的な存在に。

前半戦採点:75点

後半戦の目標:11/12シーズン以来2度目のリーグ2桁ゴール2桁アシスト

文=山口裕平

■右肩上がりで2017年を終了

今季の香川は左肩のケガで出遅れたが、調子を上げながらウィンターブレイクを迎えた。専門誌『キッカー』が発表するポジション別ランキングでは、攻撃的MF部門で「次点」に選出され、「この日本人はボス監督の下で出遅れたが、チームが危機に陥るとチームに滑り込んだ。3ゴール3アシストという決定率の高さは次点選出に値する」との評価を受けた。

前半戦は公式戦21試合に出場して4ゴール7アシスト(うちリーグ戦は13試合で3ゴール3アシスト)を記録。チームが不調に陥ったこともあってなかなか結果を残すことができていなかったが、年末は4試合で1ゴール4アシストと毎試合得点に絡み、最高の状態で2017年を終えることになった。

香川にとって今季は大きな意味を持っていた。W杯に向けた重要なシーズンを迎えるにあたり、移籍の可能性もあったものの2020年までドルトムントと契約を更新。ドルトムントも2年間チームを率いたトーマス・トゥヘル監督に代わってピーター・ボス監督が就任し、香川は経験ある選手としてチーム内でも重要な役割を求められた。

しかし、6月の代表戦で負傷した左肩の回復が思うように進まず、ボス監督の下で1試合も実戦経験を積むことができないままシーズン開幕を迎えることに。ボス監督は香川を途中出場で起用しながらチームに馴染ませようとするもなかなか左肩は完治せず、オーストラリア戦でのW杯出場決定をベンチで見守ると、代表を早期離脱して治療に専念した。9月下旬の第5節ハンブルク戦でシーズン初得点をマークすると、第7節アウクスブルク戦でも芸術的なループシュートを決めるなど調子を上げ始めたが、ここからチームはおよそ2カ月もの間リーグ戦で白星から見放される大不振に。公式戦13試合で3部マクデブルク相手にしか勝つことができなかった。この結果を受け、ドルトムントはボス監督を解任し、ペーター・シュテーガー監督を迎えた。

この窮地で香川は奮闘。シュテーガー監督就任初戦となったマインツ戦では、試合を決定づける2点目を奪うと、続くホッフェンハイム戦ではPK獲得に逆転弾アシストで2連勝に大きく貢献。ドイツ杯ではバイエルンに敗れたものの、1点差に詰め寄るゴールをアシストして気を吐いた。シュテーガー監督就任後のドルトムントにおいて、香川は欠かせない選手になっていた。

■精神面での強さがカギに

ドルトムント復活、そしてロシアW杯に向け、後半戦の香川にはメンタル面で2つの強さが求められる。

1つは緊張感を保ち続けることだ。ここ数年間、香川はドルトムントで激しい競争と大きなプレッシャーに晒され続けてきた。さらに、今季は日本代表からの落選という苦渋も味わった。これらの経験を通して香川のメンタル面は大きく成長し、特に最近の香川からは鬼気迫るような雰囲気すら感じられる。周囲から掛けられる大きな期待と、自分に対する期待を上手くパフォーマンスに昇華させており、一時的に調子を落とすことがあっても練習で自らを取り戻して再び試合で結果を残す。苦境に陥っても這い上がってくる力は、ここ数年の成績からも証明されている。このメンタル面の緊張感を保ち続けることができれば、香川のパフォーマンスが落ち込むことはないだろう。

2つ目はチームの中心としての自覚を強く持つことだ。香川は自分がやらなければならない状況になるほど、輝きを増す。逆に言うと、マルコ・ロイスなどチームに決定的な選手がいると無意識に遠慮してしまうのか、知らず知らずのうちにゴールに対する姿勢にリミッターを掛けてしまう。それは昨季後半戦にロイスが負傷離脱してから、そして今季の年末のパフォーマンスを見ても明らかで、どちらもドルトムントは香川→ピエール=エメリク・オーバメヤンのホットライン以外に有効な攻撃手段がなくなった結果、香川に与えられた裁量が大きくなり自らを解放することができた。ロイスの復帰が見込まれている後半戦でも、以前のようにチームの中でどう自分を活かすのかではなく、自分がどうチームを活かすのかという意識でプレーすることが必要だ。

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