乾貴士が語る「一生忘れない」出来事と、エイバルという“居場所”/独占インタビュー

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日本人が活躍することは難しいと言われていたスペインで、今高い評価を受けている選手がいる。乾貴士だ。『Goal』の独占インタビューで、現在抱える思いを語ってくれた。

日本人選手未開の地――。

それが、乾貴士がエイバルに加わる前までのリーガ・エスパニョーラだった。数々の日本代表経験者が挑んできたものの、なかなか成功を収めることができていなかったのだ。

しかし、イベリア半島の小さな町に降り立った日本人選手は、そんな風評をもろともせずに躍動を続けている。評価を高めていることは指揮官やチームメートの言葉、新聞の採点や寸評、そして安倍晋三首相が主催する『安倍晋三・スペイン国王晩餐会』に招待を受けたことでも明らかだろう。

乾は帰国に際し、ハードなスケジュールの合間を縫って『Goal』の独占インタビューに応じてくれた。そこで語られた自身の“居場所”エイバルというチームや町の印象とは?

■エイバルは「居心地のいい場所」

――乾選手はスペインに来て2年目のシーズンを迎えています。リーガ・エスパニョーラの特徴を一言で言うと、どんなリーグでしょうか?

やはり難しいリーグだと思いますし、すごくレベルが高くてやりがいのあるリーグだと感じています。

――ちなみに、スペイン語はどうですか?

全然ですよ。ノリでどうにかしてます(笑)。

――(笑)。エイバルのスタジアムの雰囲気はどうでしょう?

スタジアムは本当に小さいんですけど、ファンとの距離がすごく近いのがやりやすいです。自分たちに対するブーイングはほとんどなくて、ポジティブな応援しか聞こえてこないので、すごくやりやすいですね。

――エイバルという町の印象も教えていただけますか。

小さい町で何もないですが、静かですごく居心地のいい場所ですね。

――具体的にはどういったところに居心地の良さを感じますか?

町が持つ雰囲気もそうですけど、町の人たちがすごく温かいんです。声を掛けてくれますし、その声の掛け方もしつこくなくて「頑張れよ」って言われて終わるぐらいで。いい意味であっさりしてて、それも居心地がいい理由の一つですね。

■熾烈なポジション争いは「楽しい」

――では、チームの話を聞かせてください。ホセ・ルイス・メンディリバル監督が描くエイバルのサッカーはどういったものなのでしょうか?

前からボールを取りに行くっていうのが自分たちの特徴ですね。守ってカウンターっていうよりも、前からプレッシャーをかけて取ったボールをゴールに繋げる、という。それを相手のコート内でもやるので、どちらかというと守りのチームというより攻めのチームだと思います。

――というと、具体的な攻撃のイメージは?

前からどんどんプレッシャーをかけてボールを奪いに行くっていうのがうちの狙いだと思います。特にサイドから攻めるのが自分たちのスタイルなので、サイドの選手はしっかり攻撃の起点にならないといけないですね。

――そういう意味で、乾選手は重要な役割を担っていますよね。

そうですね。サイドにいる分、やはりそこで起点にならないといけないと思います。それにサイドバックとのコンビネーションもしっかりやっていかないとうまく崩せないので、その辺は重要になってくると思ってやっています。

――4月1日のビジャレアル戦では見事なゴールを決めました。かなり前から詰めて点を取りに行く形だったと思いますが、振り返っていただけますか?

すべてが狙い通りだったわけではなくて、ラッキーな部分もありました。ですが、前から積極的に行くという部分はエイバルらしかったかな、と思いますね。

――その試合も含めてですが、ピッチに立つにあたって特に心がけていることは何かありますか?

守備の時はしっかりみんなとバランスを取ることですね。その辺はだいぶできるようになってきたと思います。あと攻撃の時はもっと自由に自分自身を出していくことですね。もっとゴールに絡めるような仕事をしないといけないと思っているので。

――乾選手のスタッツを見ていると、チーム内でもタックルの成功率が高いですよね。守備への貢献度も高いと思うのですが、それも意識しているのですか?

そうですね。監督がやりたいサッカーっていうのをだいぶ分かってきて、戦術への理解は去年より今年のほうが絶対伸びていると思うので、そういうところが守備にも表れているのかなって感じはします。今は守備のやり方が分かってきて、どんどん楽しくなってきてる感じです。

――乾選手のポジションはライバルとなる選手も多いですよね。ポジション争いについてチーム内ではどのような捉え方をされているのでしょうか?

すごく楽しく、いい争いができていると思いますよ。うちの監督はレギュラーを固定せず、全員にチャンスを与えてくれるので。ただ、一度悪いプレーをすればすぐにベンチに下げられるし、「代わりの選手はたくさんいるんだ」という危機感を常に持ってみんなやっていると思います。

――今、ポジションを争っている周りの選手たちを、乾選手はどのように見ていますか?

ペニャはサイドバックもできて足も速く、バランスを取ることもうまいのでいい選手だなって思います。ベベは足元の技術とスピードがあるし、前に行く力がすごいなと思います。

――そんな選手たちと比べて、自分の強みを自己分析していただけますか?

自分自身は、バランスが取れるのと……なんですかね。自分のことはどう言ったらいいか分からないので、見ている人に判断してもらいます(笑)。

――(笑)。プレー面で「こいつは面白い!」みたいなチームメイトはいるのでしょうか?

そんなん言ったら、いっぱいいますけどね! みんなうまいので、みんな尊敬していますし、みんな面白い選手だと思います。

――その中でも注目すべき選手をあえて挙げるとしたら?

フォワードのセルジはポストプレーも守備も全部がうまい選手だなって思います。チームのためにすごく走り回って得点も決めてくれるのが魅力的ですね。あとは……センターバックのイバンは足が遅いんですけど、すごく頭が良くてポゼッション能力が優れていると思います。あの頭の良さは、日本人は見習わないといけないなって感じますね。

■迎えた「一生忘れない」瞬間

――ではもう少し乾選手自身の話を聞かせてください。今季、特に意識してプレーしていることはありますか?

今までは守備でボールを取りに行くことだけに集中してて、それでかわされることもよくあったので、守備でバランスを取ることを意識しています。セカンドボールを拾うとか、ポジショニングに関してはだいぶ良くなってきたと思います。あとは攻撃の時、中にドリブルで運ぶというより、縦に行けるように意識してやっています。

――中よりも縦、ですか?

そうですね。自分の特徴として切り込んで右足でシュートっていうのが多かったんですけど、そればっかりだと通用しないことが分かりました。一度縦に行くことで「次は中に行ける」って思うので、その辺を特に意識しています。

――では、エイバルに来てから今までで最も嬉しかった瞬間は何でしょう?

やっぱり、この間のゴールを決めた瞬間ですね。みんなが喜んでくれたのは、本当に嬉しかったですし、一生忘れないと思います。あれを求めてまた頑張りたいなって思いました。

――「一生忘れられない瞬間」を迎えた今、何を目標にプレーしていますか?

とにかく1試合でも多く試合に出て、少しでもチームのために貢献できるように頑張りたいです。

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インタビュアー=大川佑(Goal編集長)
構成=松岡宗一郎(Goal副編集長)

■乾貴士独占インタビュー掲載予定

・「プロならば見ていれば分かる」乾がスペインで感じた、戦術理解度の重要性
・「メッシには追い付けないけど、自分が輝ける場所は知っている」乾がスペインで見つけた“自分の輝かせ方”とは

■乾貴士と中村憲剛が“エル・クラシコ”を語る!

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