レスターの冒険がついに終幕、“おとぎ話”は人々の記憶とともに…/コラム

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レスターの物語はアトレティコに敗れたことで終わりを迎えた。夢から覚めてしまう瞬間は、いつも残念なものだ。しかし、この心地よい時間を忘れられる者など、どこにいるというのだろうか?

なんて最高で、素晴らしい乗り心地だったことか。まるでジェットコースターのような、レスター・シティの旅も一つの終わりを迎えた。ここ3シーズンは沈むことよりも上昇することのほうが多く、レスターに関わる人々にとって決して忘れることのできない時間となったことは間違いない。

プレミアリーグへの昇格から始まり、ナイジェル・ピアソン元監督の下でプレミアリーグ残留を決めた信じられないような連勝劇。多くのレスターサポーターはここ数シーズンのチームのパフォーマンスには十分すぎるほどの幸せを感じていた。

プレミアリーグ王者として、そして唯一大会に勝ち残ったイングランドのクラブの代表として、チャンピオンズリーグ準々決勝でアトレティコ・マドリーと戦うということは、ほとんどのサポーターの描いていた夢をはるかに超えるような出来事であった。比べられるものでもないが、プレミアリーグ昇格や奇跡の残留よりも幸福を感じられたのではないか。サポーターの多くは、これから水曜日の朝に目覚める度、ここ数シーズンで起きた全ての出来事が夢の中で行われていたことだったのではと、思いを巡らせるかもしれない。

ディエゴ・シメオネ率いるチームの過去4シーズンにおけるチャンピオンズリーグでの素晴らしいパフォーマンスを考えると、敗れたことは決して不名誉ではない。前半のほとんどの時間帯で見せたプレーぶりは、1stレグでの敗北を忘れさせるものだった。全員がベスト4進出を目指し、本気で戦っていた。単純に“ロヒブランコス”はあらゆる面でレスターの上を行っていただけだ。中盤ではあえてレスターにボールを持たせながら、ディエゴ・ゴディンはジェイミー・バーディーを相手に素晴らしい対応をして抑え込んでいた。クレイグ・シェイクスピア監督に率いられたチームは得意のスタイルでプレーすることを許されなかったのだ。それが、最終的に彼らの運命を決めることになった。

Chrstian Fuchs Leicester City

Jamie Vardy Leicester City

Jamie Vardy Leicester City

それでも、レスターが見せた、まるで自分たちが負けることなど考えられないとでも言うかのようなプレーぶりはグッド・ルーザーとして多くの人々の記憶に残ったことだろう。シェイクスピアはレオナルド・ウジョアとベン・チルウェルを後半頭から投入し、3-4-3にフォーメーションを変更することで、リヤド・マフレズを右ワイドの位置から自由に動けるようにした。その変更がうまく機能したことで、バーディーの同点ゴールが生まれている。

レスターはその後も手を緩めず、アトレティコ守備陣に対して全てを投げ打って攻撃を仕掛けた。結果として追加点を奪うことはできなかったが、スペインの雄を最後まで手こずらせたことは間違いない。これから長くこの大舞台から遠ざかることになるかもしれないが、彼らは顔を高く上げて最高のステージを後にした。

おとぎ話は小さな失望を伴って終わりを迎えたが、レスターの奮闘を忘れられる人などいないはずだ。マンチェスター・シティやリヴァプールを倒したバーディーのゴール、セビージャ戦での最高の逆転劇。そうしたすべての思い出が伝説となる。その中に忘れ去られてしまうものなど一つもない。

レスターのおとぎ話は低調すぎた中盤戦までの戦いぶりとクラウディオ・ラニエリ前監督の解任により収束していくものと思われたが、イタリア人監督に代えてシェイクスピアを登用したことで、少なくともこのジェットコースターが脱線するような大惨事にならずに済んだ。シェイクスピアは監督経験を持っていなかったものの、アトレティコとの2試合ではどちらもハーフタイムに効果的な選手交代を取るなど、シメオネをも凌駕する好采配ぶりを披露した。

繰り返しになるが、レスター・シティの夢物語は終幕を迎えてしまった。しかし、この物語は紛れもなく現実に起こったことだ。明日の朝、カーテンの隙間から差し込む日差しに促されて目を覚ましたとしても、悪夢から逃げるように起きたとしても、レスターが奇跡的な残留劇を見せ、おとぎ話のような優勝を成し遂げ、世界最高峰の舞台で奮闘した事実が変わることはない。

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このストーリーを忘却の彼方に追いやれる人など、いるはずもないのだ。

文=トム・マストン/Tom Maston

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