ベイル不在のロシアW杯に…度重なる負傷の代償を支払ったのはウェールズ代表

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ワールドカップ予選の最終戦を新たなケガによって欠場したベイルは、ロシアで行われる本大会を家のテレビで観戦する。

ガレス・ベイルはまさにウェールズそのものだ。このスター選手の代表チームにおける重要性は否定のしようがない。ウェールズ代表こと“ドラゴン”は、ベイルがいることで初めて主要大会の準決勝に進出する能力を持ったチームとなる。ちょうど2016年に開催されたUEFA欧州選手権(ユーロ2016)で、世界で最も高価なこの選手の奮起が、クリス・コールマン監督率いるウェールズ代表を最後の4チームまで生き残らせたように。

そしてベイルが欠場すれば、ドラゴンは主要大会の出場にすら届かないチームとなる。ちょうどカーディフで行われた先日の試合で、アイルランドを相手に0-1で敗れ去ったように。

この1億ユーロプレイヤーは、ふくらはぎの負傷によってワールドカップ予選の最後の2試合をスタンドから見守ることになった。完治にはまだ時間がかかる見込みで、10月17日に行われるUEFAチャンピオンズリーグ、ベイルの古巣であるトッテナムとの試合も欠場が決定的となっている。

ジェームズ・マクリーンがカーディフで記録したゴールは、アイルランドをプレーオフに進出させ、ウェールズを予選敗退へと押しやった。ウェールズはボールポゼッションを確保しつつ、至る所でアイルランドを支配して相手を劣勢へと追いやったものの、ゴールを仕留める本能を欠いた。それはまさにスタンドから見守った男が持つものである。

他方、マドリーではベイルのパフォーマンスはしばしばやり玉に上げられる。サンティアゴ・ベルナベウでブーイングを浴び、超高額報酬の期待に応えていないと専門家から批判を受けることも多い。しかし、ウェールズに帰れば彼は確かに国のヒーローとして見られるのだ。ウェールズ史上最高の選手として、そして、コールマンのチームで本当の違いを生み出せる選手として。

この元トッテナムの選手が試合に出場した場合の代表チームの勝率は48%だが、欠場した場合の勝率は15%にまで急降下する。ベイルはこれまで代表戦68試合に出場して26度ネットを揺らしてきた。ロシア大会のワールドカップ予選でも、ジョージアとセルビアから重要なゴールを記録している。

James McClean Ireland Wales

アイルランド戦では、ベイルの代わりにトム・ローレンスとベン・ウッドバーンがドラゴンにひらめきを与えることが期待されたが、残念ながらどちらの選手も魔法の時間を提供できるようには見えなかった。ウェールズは同じグループDの他の試合結果(※セルビアvsジョージア)によって、プレーオフに進出するには引き分けでは不十分な状況へと追い込まれていた。勝利以外は終焉のみだった。

ウェールズは試合の終盤、僅かなリードを守るためにポゼッションを放棄し、試合を終わらせにかかっていたアイルランドの守備陣に幾度も攻撃を仕掛けた。

しかしボックス内に供給された複数のロングボールはセンターバックのシェイン・ダフィとシアラン・クラークによってことごとくクリアされ、ほとんど生かされることはなかった。ベイルという“お守り”がなければ、ウェールズは希望と目的のない単調なフットボールを当てにせざるを得なかったのだ。

敗戦前、コールマン監督は現在のウェールズの布陣を“黄金世代”と呼んだ。『テレグラフ』に対して、「ウェールズがユーロの予選を突破する前、選手たちが“黄金の束”というラベルを貼られたね。その後彼らは実際にそれを証明したのさ。今は黄金時代を迎えている」と語っていた。

ベイルがいなければ、ウェールズが黄金時代と呼べるだけのパフォーマンスを発揮することはなかっただろう。今やウェールズの選手はワールドカップを我が家から見ることになってしまった。世界で最も偉大なスターの1人が、2018年に世界最高の舞台に立つことはない。

文=ロナン・マーフィー/Ronan Murphy

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