【動画】ネイマールは何故移籍した?中村憲剛が大好きな海外サッカーを語る【中村憲剛のMSN】(第3回)

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川崎フロンターレの中村憲剛が『Goal』で大好きな海外サッカーを語る企画、【中村憲剛のMSN】。第3回はネイマール(パリ・サンジェルマン)の電撃移籍を語る!

こんにちは。中村憲剛です。

すでにヨーロッパサッカーの『2017-18シーズン』が開幕しました。この連載には『中村憲剛のMSN(マジで 好きなヤツ ノミネート!)』というタイトルが付いているんですが、いきなりバルセロナの『MSN』からNが抜けるというハプニングに見舞われました(笑)。そこで今夏、バルセロナ(スペイン)からフランスのパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍して世界中を騒然とさせたネイマール(ブラジル)について話してみたいと思います。

まず凄いのはサッカー史上空前の移籍金でしょう。日本円にして約290億円! もうケタが違いすぎます。その莫大な金額に目がくらんで移籍を決断したという指摘もあるようですが、僕はそういう風には考えていません。

やっぱり、主役になりたかったのかな――。

2017-09-10-PSG-Neymar

移籍の報に触れて、最初に思ったのが「これ」です。10番のユニフォームを着て、自分が一番というクラブに行きたかったんじゃないかと。本人はバルサのフロント(幹部)についてネガティブな発言をしているみたいですけど、自分の扱われ方を含めて、ここにいては一番になれない――と感じたのかもしれませんね。

出て行くタイミングというのも、あったのかなと。今年の2月で25歳だから、ここからの数年間がちょうどキャリアのピークに入っていく時期。でも、バルサはリオネル・メッシが大事となると、本人にとっては少し面白くない部分もあるんだろうなと。あと1、2年経てば互いの立場が入れ代わってもおかしくないけれど、我慢できなかったのかなと思いますね。

早く欲しかったのかな、バロンドール(世界年間最優秀選手賞)が。いや、実際にチャンピオンズリーグで優勝したら、その可能性は十分にありますから。でも、バルサで優勝したら、結局はメッシか――となっちゃう。バルサは『MSN』の中で一番若い「N」を失ってしまった。クラブにとって「誰を大事にするか」は重要ですね。

2017-09-10-Barcelona-Neymar

また、移籍先がPSGというのもポイントかなと。確かに年俸(約39億円)も凄い。ただ、それ以上にネイマールにとっては居心地の良い環境が整っているように思うんですよ。そもそも前線で組むのがエディンソン・カバーニ(ウルグアイ)とアンヘル・ディ・マリア(アルゼンチン)ですからね。こっちの南米トリオも凄い。昨シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝では最後にネイマールにやられてバルサを仕留めそこないましたけど、今シーズンはそのネイマールが加わったわけですからね。PSGの強さは推して知るべしでしょう。

中盤の面子もいいんですよ。マルコ・ヴェラッティとチアゴ・モッタに若いアドリアン・ラビオ。みんな技術があって、パスも出せる。で、4バックも最高水準。センターバックがチアゴ・シウバとマルキーニョスのペア、サイドバックは右にダニエウ・アウベス。左以外は全員ブラジル人ですからね。ルーカス・モウラもいて、チアゴ・モッタ(イタリアに帰化)も元はブラジル人で、クラブ内の最大派閥になっている。まるでセレソン(ブラジル代表)ですよ。

2017-09-10-psg-neymar2

スタメンの顔ぶれだけを見れば、CLでベスト4に行ける。それどころか優勝も十分に狙えるレベルかなと。そこに「史上最高額での移籍」という勲章まで含まれたら、心動くでしょうね。やっぱり自分が一番になりたいと。実際、10番がよく似合う。どんなチームでプレーしても、ネイマールはネイマールですから。それくらいの存在感がある。PSGの開幕戦をDAZNで見ながら、改めて、そう思いましたよ。

バルサにいると、今はどうしてもメッシの次になっちゃう。ただ本人も力をつけてきて、そろそろネクスト・ステップと考えていたところに、ちょうどいい話が来たという感じなのかなと。それにしても時代を感じますね。従来の感覚だと、レアル・マドリーやバルサって双六(すごろく)で言う「上がり」でしたから。そこから、もう一つ行く? というのは、ちょっと考えられなかった。レアルとバルサを離れるのは戦力外に近い。言い方は悪いですけど「都落ち」のイメージがありましたからね。

今回の意味合いは、従来のそれとは大きく違っている。なので、今シーズンの戦績は凄く大事だと思うんですよ、PSGにとっても、ネイマール自身にとっても。失敗に終わればネガティブなイメージが付きますからね。逆に成功すれば、PSGのブランド力は大きく高まり、ネイマールもメッシとクリスティアーノ・ロナウドに肩を並べる存在として認められるようになるかもしれない。その意味でも、非常に重要なシーズンになるんじゃないかと。

いや、ネイマールはともかく、PSGの場合は成功しても「やっぱりお金か」という話になるだけかな。正直、お金の流れが青天井と言うか、尋常じゃなくなっている。まあ、それくらいの価値があるんだと周りを納得させる必要があるでしょうね、選手にも、クラブにも。その意味でも結果(CL制覇)が重要かと。

構成=北條聡

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