スアレスと重なる移籍失敗劇…今後のリヴァプールでコウチーニョに求められること

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2013年においてのルイス・スアレスと重なるコウチーニョ。バルセロナへの移籍を希望しながら、リヴァプール残留が決まっただけに、今後のピッチ上での姿が重要になってくるだろう。

今回のケースは、3年前のルイス・スアレスを想起させる。フィリペ・コウチーニョは再びマージーサイドでの愛を取り戻すため、偉大なエース以上の活躍が求められる。

HD Phil Coutinho

まだスティーブン・ジェラードが主将としてクラブにいたころ、退団騒ぎでアンフィールドに混乱を起こしていたスアレスを何カ月にも渡り、説得していた。結局スアレスは2014年7月、6500万ポンド(約110億円)とも言われる値段でバルセロナへと移籍。だが9月1日、かつてのチームメイトに『さよなら』を告げるため、練習施設へと舞い戻った。

ジェラードは著書『My Story』でその時のことを振り返り、ある逸話を明かしている。

「メルウッドを去る前、ルイスは僕にコウチーニョのことをこう言ったんだ。『彼のことを頼むよ、あいつはいい子だ』ってね」

この言葉からわかるように、コウチーニョはリヴァプールの将来を照らす存在であった。スアレスが予見したように、若きブラジル代表はやがてリヴァプールをけん引する選手に成長。そしてスアレスに対して起きたようにレアル・マドリーやバルセロナといったビッグクラブが獲得を狙う存在となっている。

Steven Gerrard Phil Coutinho

ジェラードは、コウチーニョが長くブラジル代表から離れている時期も特別な関心を払っていた。彼はわかっていたのだ。レッズは『この選手を可能な限り長くクラブにとどめておくべきだ』ということを。

今夏、バルセロナは約2カ月半にわたり公然と、そして執拗にこの25歳のMFとの契約を求めてきた。しかし、コウチーニョが背信ともいえるトランスファーリクエストを提出したにもかかわらず、リヴァプールはどうにか彼をクラブにとどめることができた。

だが今はどうだろうか?

 “気まずいとき”とでも形容すべきだろうか。コウチーニョは2017-18シーズンの開幕から6試合を腰椎に痛みがあるとの理由で欠場していたが、奇跡的な回復を見せてプライベートジェットでブラジルから帰ってきた。

Phil Coutinho Brazil

かつて自身が核としてプレーした場所に帰ってきた彼は、今一度背筋を伸ばして再びチームの一員としてふさわしいことを示さなければいけない。だがマージ―サイドのクラブは、2013年の夏にスアレスの売却を拒絶したように、この手の再合流の経験がある。2人の選手はまったく同じ状況ではないが、同じエピソードの再来が予感されている。

ブレンダン・ロジャース監督とスアレスは、2013年の10月まで移籍に関する本格的な対話をせず、プライドとエゴを脇に置いてクラブを最優先とした。スアレスはリヴァプールの優勝という目標を達成するうえで中心的な存在であった。ファーストチームのトレーニングから一度は離脱したことで、公然の批判を浴びたが、まっすぐ彼らの仕事へと戻ったのだった。

メディア向けの謝罪も、不機嫌さも、騒ぎ立てることもなく、サルト生まれの怪物は出力最大で試合に臨み、ピッチ上での並外れたパフォーマンスを示すことでチームに向けた敵対的な態度を詫びた。

GFX Suarez quote Liverpool

結局、ロジャースとスアレスの本格的な会話は10月に行われただけだった。内容は「起きたことすべてを忘れて、リヴァプールのためにともに働くことに集中する」というもの。スアレスがクラブへの信頼を示していたら、クラブは彼に契約解除条項を盛り込んだ新契約を提示し、彼を望む“メガクラブ”からの接触が来たら彼を見送るつもりがあっただろう。

そして、選手とクラブ両方にメリットがある形での最後が訪れる。彼が少年時代から夢見ていたバルサに移籍する前年の12月、彼はリヴァプールと新契約を結び、PFAの年間最優秀選手賞も獲得した。

スアレスを兄貴分と慕うコウチーニョも、適切な時が来たらスアレスがかつてしたように、マージ―サイドで称賛を浴び、正しいやり方でクラブを去ることだろう。

HD Phil Coutinho

起きてしまったことに対しての謝罪は疑問と議論、そして分断を引き起こす。必ずしも輝かしい姿勢とはならない。ここ数カ月の間で起きたことは、どんな言葉をもってしても帳消しにすることはできない。だが再びリヴァプールでのプレーに調和する意思と行動を示すことで、それを雑音とすることはできるだろう。求められるのはこれからのピッチ上での働きなのだ。

プレシーズンのミュンヘンでのキャンプ以来彼はチームメイトと練習をしておらず、またチームも大敗したマンチェスター・シティ戦まで印象的なプレーをできていたため、コウチーニョはクロップのスターティングメンバ―にすぐ復帰することはないだろう。彼は指揮官にアピールし、またロッカールームでもチームのために専念する必要がある。

物語を進めていくため、騒いでいる時間はない。コウチーニョがいればリヴァプールはより良いチームとなり、またコウチーニョもこのクラブでプレーすることでより良い選手になる。

彼らの関係性は複雑なものだが、前に進むための最善の道は少しも難しいことではない。起きたことすべてを忘れて、クラブのために共に働くことに集中しよう。

文=メリッサ・レディ/Melissa Reddy

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