コウチーニョを放出したリヴァプールの今後…吉と出るか凶と出るか

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チームを支えたコウチーニョが移籍し、リヴァプールはコウチーニョがもたらした創造的なプレーの穴埋めという難題が生じている。

12月なったばかりのこと。フィリペ・コウチーニョは敵地でのブライトン戦で相手を破壊するような爆発的なパフォーマンスを見せた。この日の試合は5-1でリヴァプールが大勝。そのほとんどがコウチーニョの足元から生まれたものだった。まずは2アシストでチームを優位に立たせると、今度は壁になった相手選手の足元を通す技ありのFKで自ら得点。そしてそのわずか120秒後には、カーブを描いたシュートでオウンゴールを誘った。

そんな昨年の12月は、彼にとってこれまででもっとも多くのゴールである7ゴールを決めた月であった。その中にはチャンピオンズリーグのスパルタク・モスクワ戦でのハットトリックやアーセナルとのアウェーゲームでのヘディングによるゴールなど、忘れられないゴールも含まれている。

Philippe Coutinho Arsenal Liverpool Premier League 12222017

それを思うと、いかにこのプレーメーカーがアンフィールドを湧かせ、シーズン途中で1億4,200万ポンド(約214億円)という記録的な大金でバルセロナに移籍するほどまでになったかは、長く、そして熱く語られていくことになるだろう。

コウチーニョは7月以降繰り返しバルサ移籍への強い希望を表明し続け、その熱意は自身で1150万ポンド(約17億円)を負担しようとするほどに強かった。彼がロンドンのホテルでマージーサイド・ダービーを観ている様子やプライベートジェットの機内で移籍交渉を一笑している様子が移籍交渉の最終局面で報道されてしまったが、それはまるで、イギリスのTVリアリティーショー“カーダシアン家のお騒がせセレブライフ”のワンシーンそのものであった。要するに、コウチーニョの移籍は、決して肯定的ではなく、ネガティブPRとして捉えられたのだ。

GFX Coutinho Barca

しかしそんな雑音をはねのけ、そしてサッカー的な観点を見据えて、25歳のコウチーニョはリヴァプールファン達に別れの手を振ることになった。皮肉にもこれはプレミアリーグの各チームのDF陣にとっては朗報であろう。もう彼に恥をかかされることはないのだから。

コウチーニョの移籍はリヴァプールにとってはただ選手を失っただけではなく、『なぜ今なのか? どうして?』という怒りとともにある。これから迎える過酷な戦いに向けて準備を進めていた中で、プレミアリーグで最高級の選手を放出してしまったのだから。

確かにリヴァプールは今季、コウチーニョ抜きでも良い結果を残しているというスタッツもある。しかしコウチーニョはこれまでに20のゴールを生み出し、チャンスメーカー、フリーキックの王様、そして攻撃におけるコーディネーターとして活躍していたのだ。そして彼は信じられないような技術を持った選手というだけではなく、在籍した5年間で201試合に出場し、年々責任感を備えた選手になっていた。リヴァプールはそんなコウチーニョという存在を失った現実から目を背けることはできない。

gfx most expensive players in the world

彼らにはまだ、ロベルト・フィルミーノの知性とハードワーク、そしてモハメド・サラーとサディオ・マネの爆発力が残っているが、突出したパサーがいなくなってしまった。コウチーニョのように中盤のセンターでプレーできるアレックス・オクスレイド=チェンバレンは、精力的な動きと素晴らしいセットプレーでのキックを生かして加入後すぐにチームに馴染んだが、このイングランド代表の強みはダイナミズムにあり、組み立て役としての穴を埋められるわけではない。タイミングよくアダム・ララーナがケガから復帰してきたが、“マジシャン”としての能力はいまだ発揮できていない。Naby Keita

リヴァプールには7月からの加入が合意しているナビ・ケイタを早く加入させるという試みもあったが、ライプツィヒは拒否することを正式に発表した。

リヴァプールのスカウトチームは過去の移籍での失敗を教訓に、ここのところは、ナビ・ケイタの獲得を始め、フィルミーノ、ジョー・ゴメス、サディオ・マネ、モハメド・サラー、ビルヒル・ファン・ダイクの獲得など素晴らしい仕事をしているのは疑いのない事実である。また、彼らがこの5年半の期間、常にコウチーニョが抜けた後のことを考えて、長期に渡り補完できるオプション獲得に向けて最善の方法をとってきたのも確かだ。そして今、リヴァプールは世界で史上3番目、プレミアリーグでは最高記録となる移籍金を手にし、それを元手にチーム強化に投資をするのである。

Mo Salah Sadio Mane

しかし本当の意味でスカウトチームの能力を測るのは、これから強化を急速に推し進めていけるかという部分にかかっている。ユルゲン・クロップはすでに過ぎた試合や物事について議論するのをあまり好ましく思わない。そういう議論が巻き起こったとき、彼は通常「次のことにしか興味はない」と返答する。

リヴァプールは、魔法を備えた選手を失ったことは確かである。しかし今は過去のことには目を向けず、残りのシーズンとその先の未来を突き進んでいかなければならない。

文=メリッサ・レディ/Melissa Reddy

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