■プレミア第27節 トッテナム 1-0 アーセナル
トッテナム:ケイン(49分)現地時間10日、イングランド・プレミアリーグ第27節が行われ、トッテナムとアーセナルによる「ノースロンドン・ダービー」は1-0でホームのトッテナムに軍配が上がった。
前節、リヴァプール相手にラストプレーのPKで追いついて敗戦を免れ、リーグ戦8試合無敗としたトッテナム。一方のアーセナルはエヴァートン相手に新戦力ピエール=エメリク・オーバメヤンのゴールなどで5-1と圧勝し、期待感を持ってウェンブリー・スタジアムに乗り込んだ。
しかし、立ち上がりから試合のペースを握ったのはトッテナム。前節はリヴァプールの前線からのプレスに苦しめられたトッテナムだが、この試合では自慢のパスワークでボールを支配し、左サイドのソン・フンミンが積極的に仕掛けて攻撃の起点となる。
アーセナルはカウンターからチャンスを見出そうとするが、15分にジャック・ウィルシャーのスルーパスがオーバメヤンに渡った決定機はオフサイド。トッテナムの統制された守備を前に、なかなか突破口が見出せない。
攻勢のトッテナムは27分、左サイドでボールを受けたクリスティアン・エリクセンの右足クロスを、ゴール前でフリーとなっていたハリー・ケインがヘディング。これはゴール上へと外れ、アーセナル守備陣はオフサイドをアピールしていたが、ギリギリのタイミングだった。
互いに無得点のまま迎えた後半、先手を取ったのはトッテナム。49分、左サイドのベン・デイヴィスが上げたアーリークロスを、ゴール前で合わせたのはケイン。前節プレミアリーグ100ゴール目を挙げた絶対的エースが、打点の高いヘディングでGKペトル・チェフを破った。
先制したトッテナムは畳み掛けるようにアーセナルを押し込む。54分、右サイドからのクロスをペナルティーエリア中央でフリーとなっていたケインがボレーで捉える。これはGKチェフが正面ではじき返したが、最もフリーにしてはいけない選手をフリーにしてしまっていた。57分には、ペナルティーエリア手前左からのFK。エリクセンのキックが枠を捉えるが、GKチェフがかろうじてはじき出した。
65分、追いつきたいアーセナルはヘンリフ・ムヒタリャンに代えてアレクサンデル・ラカゼット、モハメド・エルネニーに代えてアレックス・イウォビを投入。流れを変えようと試みるが、前がかりになった裏のスペースを突かれてトッテナムが追加点のチャンスを得る。
70分、右サイドでボールを奪い、カットインしたデレ・アリのラストパスをペナルティーエリア手前左で受けたソン・フンミンが合わせるもゴール上へと打ち上げてしまう。71分にも、高い位置でボールで奪って浮き球パスにアリが抜け出すも、足先で触ったシュートはゴール右へと外れる。
さらに72分、ソン・フンミンとの交代で入ったばかりのエリック・ラメラがエリア内右でGKチェフと1対1に。しかし、シュートはチェフがブロックする。75分には、エリクセンの左クロスをファーサイドに走りこんだキーラン・トリッピアーがフリーで合わせるが、またも守護神チェフが立ち塞がった。
チェフの好守によって首の皮一枚つながった状態のアーセナルは依然としてトッテナムの守備を攻略できず、オーバメヤンとラカゼットが前を向いてボールを受ける場面を作ることができない。
85分、トッテナムはアリに代えてヴィクター・ワニャマを投入。アーセナルはグラニト・ジャカに代えてダニー・ウェルベックを投入し、交代枠を使い切る。
アディショナルタイムには、ロングパスに抜け出したラカゼットがペナルティーエリア内右で決定機を得る。しかし、シュートはゴール左へとわずかに外れ、アーセン・ヴェンゲル監督も思わず顔を両手で覆った。終了間際にはゴール正面の好位置でFKのチャンスを得るも、メスト・エジルキックは壁に当たって万事休す。逃げ切ったトッテナムがノースロンドン・ダービーを制した。