ドイツ代表は今夏のロシア・ワールドカップ(W杯)でまさかのグループステージ敗退。大会前の行動による騒動がチームに影響を及ぼしたと、ドイツサッカー連盟(DFB)関係者から批判を受けたメスト・エジルだが、22日に自身のSNSを通じて、初めてこの件に関する声明を出している。
トルコ系ドイツ人のドイツ代表エジルとイルカイ・ギュンドアンは今年5月、ロンドンでトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と写真を撮り、それぞれのSNSにアップ。ドイツメディアの間では、人権問題などで批判される同大統領の政権を支持していると受け取られた。ギュンドアンはこの件についてすでにW杯前に声明を出した一方で、エジルは無言を貫いていた。
しかし、ドイツが代表史上最低の成績でW杯から敗退すると、この“エルドアン写真問題“に関する国内での論争が再燃。チームマネージャーのオリバー・ビアホフ氏やドイツサッカー連盟(DFB)のラインハルト・グリンデル会長はそれぞれ、エジルの行動に苦言を呈し、同選手に対して公のコメントを求めていた。
そしてエジルは22日、自身のツイッターで声明文を発表。冒頭で「ここ数週間、自分について熟考する時間と、最近数カ月間の出来事について考える時間が与えられた。何が起きたかについての僕の考えや思いを伝えたい」と切り出した声明は、次のように続けられた。
「多くの人たちと同じく、僕は一つ以上の国に先祖がいる。僕はドイツ育ちだが、家族はトルコにしっかりと根を下ろしている。僕の胸には2つのハートがあり、一つはドイツ人、もう一つはトルコ人のものだ。母親には子供のとき、常に敬意を表すこと、自分がどこから来たのか忘れないことを教わり、今もその価値観を大事にしている」
「エルドアン大統領とは5月にロンドンで行われた教育関連の慈善イベントで会った。初めて会ったのは彼が2010年、アンゲラ・メルケル首相とともにベルリンでドイツ対トルコの試合を観戦したあとのことだ。それ以来、世界中のあらゆる場所で何度も再会している。彼と撮った写真がドイツメディアで大きな反響を呼んだことは理解している。僕のことを嘘つきや詐欺師と呼ぶ声もあるが、あの写真に政治的意図はなかった」
「エルドアン大統領との写真は、政治や選挙とは関係がなく、家族の故郷である国の最高官職に敬意を払ったものだった。僕の仕事は政治家ではなくサッカー選手であり、どんな政治においても賛同したわけではない。実際、彼とは会う度にいつも同じこと、サッカーについて話しているんだ。彼もユース時代はプレーヤーだったのでね」
エジルはさらに「トルコの大統領であろうと、ドイツの大統領であろうと、自分は同じ行動を取っていただろう」とも主張。「前回の選挙、それ以前の選挙の結果も問わず、この写真を撮っていたはずだ」と記して、声明文を締めくくっている。
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