「さよなら」を告げるべき…ブッフォンがドンナルンマとシュチェスニーの道を妨げる?

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イタリアメディアは、レジェンドがさらに2年間キャリアを続けることを望むが、それは2020年まで後継者から国際経験を積む機会を奪うことになる。

ジャンルイジ・ブッフォンはイタリア代表のGKとして国際Aマッチ175試合の出場を誇るが、代表にデビューしたきっかけは彼にとっては幸運な出来事からだった。

1997年10月、まだ弱冠19歳で世間知らずの若者に過ぎなかったブッフォンは、イタリア代表の正GK、ジャンルカ・パリューカのバックアップメンバーとして、モスクワのディナモ・スタジアムで行われるワールドカップ予選のプレーオフを戦う代表チームに帯同していた。

幸運というべきか、キックオフから約30分が経過した頃にパリューカが負傷、この突然の状況下で当時A代表では全く実績のなかったブッフォンがベンチからピッチへと飛び出すことになった。

ブッフォンはその後、1998年のワールドカップが終わるのを待つまでもなくイタリア代表GKのファーストチョイスの座をつかみ取った。しかしここで重要なことは、彼が出場したという事実である。ブッフォンはその若さにも関わらず、最も要求の厳しい環境下でも自身が信頼されるに足ることを証明して見せた。

それから21年、今年1月に40歳を迎えた現在も、ブッフォンは代表の正GKとしてプレーを続けている。そしてこれまで、自身がデビューしたときに手にしたようなチャンスを自身の後継者の筆頭であるジャンルイジ・ドンナルンマには与えていない。

アッズーリの一員としてのブッフォンの長い旅は、ワールドカップ予選のプレーオフでスウェーデンに敗れた昨年11月にピリオドが打たれるものだと思われていた。しかし先日、ブッフォンはイタリアの民放テレビ局『カナーレ5』の司会者、カナレマウリツィオ・コスタンツォに対してこう話した。「今年の夏にイタリア代表としての最後の晴れ舞台をロシアで戦うつもりだったが、そうはならなかった」と。

ワールドカップ予選敗退というショッキングな出来事から約3カ月が経過し、ようやくイタリアのフットボール界は少し冷静な頭でこの大失態を振り返ることができるようになっているが、一連の報道によるとブッフォンはまだ代表のキャリアを終えないと決断したようだ。

イタリアメディアの情報源によれば、ブッフォンは今年3月に開かれる国際親善試合に向けてルイジ・ディ・ビアージョ暫定監督が率いる代表に招集され、そのまま2020年のユーロまで代表でのプレーを続けるという。

もしある選手がパフォーマンスという点において確かなレベルに留まっているのならば、クラブレベルでも代表レベルでも、チームの中に自身の居場所を持つ権利はあるはずだ。

しかしこれから先を長い目で見れば、ブッフォンがここで個人的な冒険を感動で終わらせ、代表チームから潔く身を引いた方が、ドンナルンマ、そしてイタリアのフットボールにとっては好ましいだろう。

Gianluigi Donnarumma Gianluigi Buffon Italy WC Qualifying Europe 10052017

ドンナルンマほどのポテンシャルを秘めたGKが現れたときに、思い出されるのは他でもないブッフォンだ。今から20年以上前にブッフォンがパルマの選手として初登場して以来、ゴールマウスにスター候補生が現れた。

ゴールマウスで絶大な存在感を放つドンナルンマは、GKの見本となる選手である。ACミランの選手としてすでに100試合以上に出場しているドンナルンマは、早いうちから大切に育てられながら、人生とピッチに関する多くのことを学ぶ真っ最中にある。

今年2月25日にやっと19歳になるという若さだが、そのポテンシャルは折り紙付きだ。しかし悲しくもドンナルンマには国際経験が欠けており、その経験を積むことがますます必要となってきている。その道を妨げているのはブッフォンである。

代表GKとは誰かとその座を分け合うことができないポジションである。クラブレベルであれば監督はリーグ戦とカップ戦でGKを使い分けることができるし、むしろそれはチームが成功をつかむための常とう手段ですらある。

しかし国際試合となれば話は変わり、GKのユニフォームはたった一人のものといっても過言ではない。前線や中盤の将来有望な選手であれば、ベンチからスタートして試合終了前の数分間だけプレー機会を与えたり、プレッシャーのあまり掛からない試合に出場させたりといったことができる。しかしことGKとなれば、代表レベルではそのようなことはほとんど起こらない。

Buffon Kane Juventus Tottenham Champions League

クラブデビューを16歳で果たしたドンナルンマであればGKのポジションをフルで守りきる国際トーナメントを経験出来るはずだし、またその機会が与えられるべきである。今年の夏のワールドカップは、もしかしたらそんな大会になっていたかもしれない。

ワールドカップの出場権が失われた今、ドンナルンマが21歳になるまでイタリア代表にはそういった国際大会に参加する機会は訪れない。そんな状況の中でもしブッフォンが代表でのプレーを続行する選択をしたならば、さらにその2年後の23歳まで、ドンナルンマは代表のシャツを着て国際トーナメントを戦う経験ができないことを意味する。

ドンナルンマが代表でプレーしたのはこれまでたったの4試合で、すべてが親善試合だ。これでは彼の時代がやって来たとは到底言うことはできない。今こそドンナルンマの時代を始める絶好のタイミングであり、ブッフォンは彼にその機会を与えるべきである。

ブッフォンは今や、チャンスを活かさなければならない様なGKではないことを認識しているはずだ。これではまるでブッフォンが、“自身の後継者”という名の梯子を外し、これから10年以上もの間代表のゴールを守る準備をする機会を若者から奪っているように見えかねない。

ブッフォンはこれ以上何を成し遂げようとしているのだろう。全てを勝ち取って来た彼にとってはーチャンピオンズリーグを除いてー、現在のステージでは自身のレガシーを汚す以外のことはできないだろう。

今後、ブッフォンはシーズン終了後にユヴェントスのアンドレア・アニェッリ会長と新たな契約に向けて話し合いの場を持つことを明らかにするだろう。もう一シーズン、もう一つの大きな勝利を勝ち取る冒険に向けて。

Wojciech Szczesny, Juventus, Serie A, 09122017

しかし受け入れがたい事実として、ヨーロッパのトロフィーを手にするために、ユヴェントスはブッフォンのことを見限ることを強いられるかもしれない。

今シーズンもブッフォンは自身が強い影響力を持っていることを証明してはいるものの、ボールへの反応、そしてプレーの確実性はかつての姿とは異なっている。

ミッドウィークに開催されたチャンピオンズリーグのトットナム・ホットスパーとの試合では自身のミスからクリスティアン・エリクセンにゴールを奪われたが、この試合では他にも複数のミスが散見された。

Christian Eriksen Tottenham

ユヴェントスには、こちらも素晴らしいポテンシャルを秘めたヴォイチェフ・シュチェスニーがブッフォンの後ろに控えている。ブッフォンはチャンピオンズリーグのノックアウトステージやセリエAの重要な試合を求めているが、これもこのポーランド代表GKから経験を積むチャンスを奪っているといえるだろう。

ブッフォンはこれからも最も偉大なGKの一人として、そしてこの時代における最も偉大な選手の一人として皆の記憶に残り続けるだろうが、時とは誰にとっても平等に流れてゆくものだ。誰もブッフォンの伝説を覆そうとはしていないし、彼の旅立ちは彼自身の折り合いで決められるべきことだろう。

しかしより大きな利点を考えれば、今はジジがステージから身を引くべきタイミングだ。

文=ピーター・ストーントン/Peter Staunton

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