あまりに非情な最期…ジジ!ブッフォンのCLの夢は悲しく残念な結末に

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イタリアのアイコンにしてフットボール界のグッドガイの代表格ともいえる男は、マイケル・オリバー主審の判定に激怒して退場となり、その怒りは試合後もおさまらなかった。

終わりが来ることはわかっていた。だがこんな形ではない。ジャンルイジ・ブッフォンはサンティアゴ・ベルナベウのピッチを後にするとき、予想通りスタンディングオベーションで送られた。しかし、試合終了を知らせる笛が彼にとって最後の瞬間ではなかった。

フットボール界きっての紳士として知られる彼であっても、これほど奇妙で悲しい結末にあっては、相手サポーターからの拍手を到底受け入れられるはずがなかった。

Gianluigi Buffon

彼は激怒していた。レッドカードによる一発退場にではない、その前に起こった出来事に対してだ。

後半アディショナルタイムも間もなく終わるというタイミングだった。マイケル・オリバー主審はルーカス・バスケスに対するメフディ・ベナティアのチャレンジに笛を吹き、ペナルティースポットを指さす。マドリーに大きなチャンスが与えられた。これを決めれば2試合合計スコアは4-3となりチャンピオンズリーグ準決勝進出は確定する、そんな判定だった。

キッカーはもちろんエースのクリスティアーノ・ロナウド。ゴールは決まったも同然だった。この判定に伝説的GKはもちろん、チームメイトも猛反発した。

オリバー主審はビアンコネッリの主将が激しく詰め寄り抗議したことを受け、レッドカードを提示した。ブッフォンがCLの試合で退場となったのはこれがキャリア初のことだ。言うまでもなく最後のときでもある。

CL117試合目、そしておそらく欧州カップ戦で最後の出場となるこの試合は、実に彼らしくない怒りに満ちた幕引きとなった。

どんな競技のアスリートも、怒りの感情には過敏になりやすい。カッとなったその瞬間をあとで悔やむことしかできない。

だが驚いたことに、試合後テレビカメラの前にあらわれたブッフォンの怒りはまったく収まっていなかった。そして許されることではなかったが、イタリア『メディアセット・プレミアム』のインタビューで彼はオリバー主審の人間性に対する疑念と怒りをぶちまけたのだ。

「主審が見たのは彼だけに見えたものだ。本当に疑わしい出来事だ。明らかなファウルではなかった。なのにあんな疑わしいことが93分に起きたんだ。あの判断は全く褒められたものじゃないね」

声を震わせるほどの怒りを帯びた彼はたたみかける。

「チームはすべてを捧げた。だがあんな疑わしいジャッジで夢を壊すようなこと、人間ならできないはずだよ。彼の胸にはハートというものがないんだろう。代わりにゴミ箱が詰まっているんだろうね」

驚くほど強烈な言葉たち。彼の「ゴミ箱」といフレーズはその後、様々なメディアに取り上げられ、多くの話の種となった。その一方で試合後には従来のブッフォンらしさも見せ、レアル・マドリーの選手やファンを讃えもした。

しかし彼はオリバー主審に対しては考えを和らげる気は無かった。彼の声は英国人レフェリーの技量と品格の欠如に対する嫌悪感に満ちていた。

「このスタジアムでこのような試合で裁く力がないのであれば、スタンドで妻や子供と一緒にスプライトとポテトチップスでもつまみながら観戦していればいいんだ」

「あの男はチームの夢を台無しにしたんだ。僕はあのとき主審に何か言ったかもしれない。だが彼は自身がしでかしたことがどれほどのものか理解すべきだね」

Buffon Oliver Real Madrid Juventus Getty Images

だが本当に自分が何をしでかしたかをわかっていないのはおそらくブッフォンのほうだろう。これはただの個人攻撃で、今回の彼は少々行き過ぎだった。

もちろん彼のフラストレーションと怒りは理解できるものだ。ファウルの判定は賛否が分かれるが、それ以上にPKが勝負を決めるというのはこの夜に不相応なものだった。

ユヴェントスは敵地でレアル・マドリーを破った。ファーストレグでの3点のビハインドを60分で忘れさせた。ディフェンディングチャンピオンのホームスタジアムで、彼らはCLの歴史において最も印象的な反撃をしたのである。

マリオ・マンジュキッチは素晴らしいパフォーマンスで、前半だけで2度ヘディングでネットを揺らした。ドグラス・コスタは右サイドでマルセロを脅かし続けた。

ミラレム・ピアニッチ、サミ・ケディラそしてブレーズ・マテュイティは中盤で高く位置していたが、特にボスニア人MFのプレーは印象的で、非常に賢いボールさばきを見せ、誰よりも競り合いで勝っていた。

そして守備陣もほころびはなかった。試合終了まであと数秒というところでバスケスが倒れるまでは。見事なまでに試合を進めていたからこそユヴェントスのフラストレーションは強かった。試合を決定づけたあのゴールの原因はどこにあったのか。

あの夜はただの一度、あの瞬間だけだった。ゴール右サイドに走り込むロナウドにロブが送られたとき、ユーヴェの選手はスイッチが切れたように動きが遅れた。そしてゴール目前、6ヤードボックス内でボールを受けようとするバスケスに、リカバリーに入ったベナティアは危険なタックルを仕掛けるほかなくなった。

彼らのフラストレーションは理解できるものだ。ブッフォンが主張したように、延長戦が相応しかっただろう。そしてユヴェントスのアンドレア・アニェッリ会長が試合後に言及した通り、ビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)が導入されていればまた結果は違ったかもしれない。

ペナルティかどうかは、様々な角度からのリプレイ映像を観た人々の間でさえ意見が分かれる微妙なものだった。だがたとえVARがあったとしても、キエッリーニがマドリーの選手たちに向けて「レフェリーを買収しただろ」とするジェスチャーや、出場停止のはずのセルヒオ・ラモスが選手通用口に現れ、困惑するマッシミリアーノ・アッレグリ監督と会話をするなどという、試合の終盤に見られた醜い場面を防ぐことはなかっただろう。

Cristiano Ronaldo Real Madrid 11042018

ユーヴェはよく戦った。だが最後の数秒で集中が切れてしまったがために痛烈な代償を支払うことになった。だがそれで我を忘れるべきではなかった。

結局この夜も、ブッフォンはロナウドが彼に向けて放ったすべてのシュートに対応してみせた。おそらくペナルティでも違いはなかっただろう。

終わりはやってくるものだ。だがこんな形であるべきではなかった…。

文=マーク・ドイル/Mark Doyle

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